イライラを抑える心理トレーニング
岡山トヨペットは、同社が取り組んでいる交通事故ゼロ・プロジェクトの第6弾「STOP ROAD RAGE」のPR動画をWEB限定で公開した。交通事故ゼロ・プロジェクトは、「この街をもっと。」をブランドメッセージとして掲げ、安心・安全な街づくりの一環として取り組んでいるもので、すでに第5弾まで公開している。
今回の動画は、昨今問題となっている「あおり運転」が引き起こされるまでの加害者と被害者の心理的な描写を表現。紙人形を使った総コマ数約1320という切り絵のストップモーションアニメとなっている。まずは、その動画をチェックしていただこう。
このように、動画冒頭の和やかで可愛らしいシーンから一転、ラストに近づくにつれて怒りの感情に塗れた加害者の心理描写はショッキングなものであり、ホラー映画そのものな内容となっている。
ちなみに、怒りによって生まれる「ROAD RAGE(ロードレイジ)」とは、自動車走行中の追い越しなどに対して、あおり運転や進路妨害といったドライバーの報復行動のことを指す。アメリカでは社会問題になっているが、日本でもあおり運転によって7000件以上(2016年度)が検挙される事態となっており、大きな問題となっている。
怒りをコントロールする4つの方法
また、岡山トヨペットの特設サイトには「あおり運転」の被害者・加害者にならないために、日本アンガーマネジメント協会が提供する「アンガーマネジメントテクニック」も公開中。アンガーマネジメントとは、怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングで、誰でも怒りはコントロールすることができるという。気持ちを落ち着ける方法として4つを紹介している。
1.「6秒ルール」
>>>どんなにイラっとしても6秒待ちましょう。
2.「家族の写真など大切なものを見えるところに置く」
>>>家族や恋人、ペットの写真など自分にとって大切なものをサンバイザーやダッシュボードなどの見えるところに置きましょう。
3.「気持ちが落ち着く言葉を自分に言い聞かせる 」
>>>自分にとって気持ちが落ち着く言葉を見つけて、 自分に言い聞かせてみましょう。
4.「深呼吸する」
>>>気持ちを落ち着かせる意味でも、 ゆっくり深呼吸しましょう。
他にもロードレイジの加害者・被害者にならないためにできることとして、「目的地に余裕を持って到着する」「割り込まない」「緊急時以外にクラクションを鳴らさない」「他の運転者を挑発、あおらない」「追い越し車線でゆっくり走らない」「絶対にクルマから降りない」などをアドバイスとして紹介している。
なお、運転をしたことのある20代~60代の男女420名を対象にした「危険運転と怒りに関するアンケート調査」も実施。運転してイライラした経験のある人は90.2%。あおり運転や急激な割り込みなどの危険運転をされた人は76.2%など、じつに多い数値となっている。
また「どのような状況の時に危険運転の被害に遭ったのか」を聞いてみたところ、「軽自動車または小さめのクルマに乗っているとき」が約4割という結果に。さらに男女割合を調査したところ、回答した人の半数が女性ということも判明するなど、あおり運転など危険運転の被害に遭いやすいのは、軽自動車やコンパクトカーに乗る女性というショッキングな事実も明らかになっている。
なお、運転中にイライラしてしまう理由の最多は「前の車の速度が遅いとき」。また「蛇行運転など、後続車からあおられたとき」「クラクションを鳴らされたとき」という時に怒りを感じる人も多く、ロードレイジがロードレイジを生む可能性が高いということも判明している。
日本では、あおり運転や危険運転などを含むロードレイジの摘発件数は右肩上がりに急増している。動画では、ロードレイジが何の前触れもなくやってくる、身近に潜んでいる危険であることを改めて感じていただくことができる。今回のプロジェクトをきっかけに多くの人にロードレイジの危険性が伝わることを期待したい。