日本とは異なるクルマに対する価値基準
今年は東京モーターショーが開催される年です。日本のモーターショーでは自動車メーカーのブースに、走行性能を高めたチューニングがなされたクルマや、表現力を盛り込んだドレスアップしたモデルが展示されることはほぼありません。
モーターショーは参考出品車両といえどもあくまで「正統派」モデルを展示する場です。昨今は自動車メーカーも「大阪オートメッセ」や「東京オートサロン」というカスタマイズカーのイベントに出展しているので、モーターショーとの棲み分けがしっかりできているとも言えます。
ところが、東南アジアのタイ王国で開催された「バンコクモーターショー」。近年は生産拠点としてだけでなく輸出拠点としての役割も高まっていて「東南アジアのデトロイト」を自称するだけに日本とはずいぶん様子が違っていました。
「バンコクモーターショー」の会場で気が付いたのは、自動車メーカーのブースであってもずいぶんとカスタマイズモデルの展示が多いこと。しかも、ベース車両やモデファイ内容の幅広さに驚き。
スズキ「スイフト」のような車両がチューニングを受けているのはまだわかりますが、いすゞ「D-MAX」やトヨタ「ハイラックス」のようなピックアップトラックだってローダウンにエアロパーツは定番。かなりストリート寄りで、派手なドレスアップ車両がメーカーブースに並ぶのですから驚きです。
ホンダのバイクのブースでも、カスタマイズされた車両を多く見かけました。
まるでチューニング雑誌に出てくるようなカスタマイズカーが目立つ位置に置かれているのは、この国でのクルマのニーズを反映しているのでしょうね。
実際にバンコクの道路の様子を見ていると、90年代の日本のように、たくさんのチューニングカーやカスタマイズカーが走っています。なかには、フルエアロにローダウンのタクシーまで見かけるのですから、思わず唸ってしまうほどの勢いを感じました。