後ろ向き装着で90%ものリスク低減を確認
交通事故の中で最も多い正面衝突の際に、前を向いて座っている乗員の頭部は非常に強い力で前方へ投げ出されるが、幼い子どもの首ではその衝撃に耐えられず、悲しい結果になってしまうのだ。1歳の子どもが前向きチャイルドシートに座っていて死亡したケースでは、同乗していた大人は打撲程度で済んだにもかかわらず、子どもだけが死亡した例も多いという。
後ろ向きチャイルドシートなら、その強い衝撃が全て首にかかることを避け、背中と頭部全面で受け止めることができるため、前向きチャイルドシートに比べて大幅に安全性を高めることになる。数字的にもそれは証明されており、スウェーデンにおけるボルボ乗車時の0歳〜15歳の子供を対象として、交通事故の際の負傷リスクを調査した結果、ベルトも何も装着していない状態と比べて、後ろ向きチャイルドシート使用時には90%ものリスク低減が確認されている。
ただ、子どもの身長、体重に合ったベビーシート、チャイルドシート、ジュニアシートを使うことは大前提であり、クルマの室内空間によっては、子どもが成長してくると足がつかえて不自然な体勢になってしまうなど、物理的に後ろ向きにできなくなる場合もあるだろう。使用中のシートが合わなくなったサインとしては、子どもの頭がシート上部からはみ出てしまうようになったら、より大きなものに替えるタイミングだ。