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2025年には空飛ぶクルマが実現する? 時代を先取りしすぎたコンセプトカー5選

世界の自動車メーカーが作った流線型デザイン

 昨年、ロールスロイス社(航空機エンジンメーカーでもある)が、2020年代前半にも「空飛ぶタクシー」の実用化を目指すと発表し、米配車大手ウーバー・テクノロジーズのCEOも「5年後にも空飛ぶタクシーが実用化される可能性がある」とコメント。

 ボーイングやドイツのベンチャー企業、その他数社も空飛ぶタクシーの実用化を目指している。しかし、空飛ぶクルマといえば、かつてのスーパーカーブームの頃のカロッツェリアが生み出したコンセプトカーたちも、地上を走る乗り物というより、空に舞い上がりそうな革新的なスタイルのクルマが多かった。そんな未来を先取りしたクルマたちを、いくつか振り返ってみることにしよう。

ランチア・ストラトス ゼロ

 1970年代のスーパーカーの中でも、ひときわ高い人気を誇るランチャ・ストラトスHF。ストラトスHFのデビューは1974年だが、その4年前にもう一台の元祖ストラトスがお披露目となっている。それが1970年のトリノショーに出展されたコンセプトカー「ストラトス・ゼロ」だ。

 デザイナーは、ベルトーネ時代のマルチェロ・ガンディーニ。いかにも空気抵抗が小さいスーパーカーらしいウェッジ・シェイプで、なんとこのクルマにはドアがない。戦闘機のキャノピーのように、水平近くまで寝かされたフロントウィンドウを上方向に開けて乗降するというスタイル。マイケル・ジャクソンが主演・原案・製作総指揮のミュージカル映画「ムーンウォーカー」にも登場し、空を飛ぶシーンが描かれている。

マツダRX500

 1960~70年代の速い乗り物のイメージは、先の尖ったボディと後方から火を噴くジェットエンジン。この二つのイメージを完璧に持ち合わせていた日本が誇るコンセプトカーといえば、マツダRX500だ。コスモ・スポーツの後継車として企画され、マツダ創立50周年モデルとして1970年の東京モーターショーに登場。

 ランボルギーニ・カウンタックの発表よりも早く、ガルウイングドア(正式には「バタフライウィングドア」)を取り入れ、ロータリーエンジンを積んだ本格的なミッドシップスポーツを目指していた。

ランボルギーニ・マルツァル

 1967年のジュネーブショーで発表されたマルツァルは、ランボルギーニ社としても伝説の一台。低く流麗なデザインを持つミウラの兄弟車と言われている。ミウラは4リッターV型12気筒をミッドシップにマウントした2シーターモデルだったが、マルツァルは4シーターのガルウイングドアを採用し、エンジンは2リッター直列6気筒をリアに横置き搭載。

 デザインはベルトーネ時代のマルチェロ・ガンディーニで、エクステリアにもインテリアにも六角形を多用していることが大きな特徴。室内がほぼ丸見えのスケルトンな感じが、ヘリコプターのコックピットのようで、飛行体的に見える。量産化は実現せずコンセプトカーで終わっているのが残念だ。

マセラティ・ブーメラン

 ブーメランは、1971年のトリノショーで発表されたマセラティのコンセプトカー。プラットフォームは、マセラティ・ボーラを流用し、実走可能なプロトタイプまで作られている。デザインを担当したのは、イタルデザインのジョルジェット・ジウジアーロ。ステアリング内側にすべてのメーターとスイッチ類が円型にレイアウトされているのが大きな特徴で、非常に“未来”を感じさせる一台だった。

デロリアン(バックトゥザフューチャー仕様)

 空飛ぶクルマといえば、映画バック・トゥ・ザ・フューチャーのデロリアン。第1作目の最後の場面で、1985年から30年後の2015年10月21日にタイムトラベルしようとするシーンで、ドクことエメット・ブラウン博士が「道? これから行く場所に道など要らん」と言って、デロリアンが宙を駆けるシーンとなるが、現実の2015年には空飛ぶクルマは普及していない……。

 しかし、そのさらに10年後の2025年には、いよいよ「空飛ぶタクシー」が登場するかも、と思うとワクワクしてくる。

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