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F1やSUPER GTで活躍! ホンダのワークス「無限」が手がけたコンプリートカー8選

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: 無限/Auto Messe Web編集部

エアロパーツから夢のコンプリートカーまで

 モータースポーツの世界では、ホンダのセミワークスとして輝かしい実績を誇る無限(M-TEC)。本田宗一郎の長男、本田博俊が1973年にレース専用エンジンを開発製造・販売する会社として設立したのがそのルーツだ。

 以後、国内のF3やF3000だけでなく、F1にもエンジンサプライヤーとして参戦し、V10エンジン時代に4勝を獲得。グループAやJTCC、SUPER GTでも活躍する一方で、ホンダ車のアフター&チューニングパーツも手掛けているのはご存じの通り。

 そんな無限が手掛けたコンプリートカーやチューニングカー、コンセプトモデルの中で、とくにインパクトの強かったクルマをピックアップしてみよう。

CR-X PRO

 CR-X PROは、1984年に無限が初めて市販したボディキット。前後のブリスターフェンダー、リアスポイラー、スパルタンなフロントバンパーなどは、後付け感のない完成度の高さと、機能性の高いエアロパーツとして注目され、1985年のエキサイティングカーショーでグランプリも獲得している。

 

MUGEN NSX Concept

 NSX(NA1)をベースに、固定式のヘッドライトやリアハッチ&インテークダクトなど、のちのSUPER GTで活躍するNSXのエアロを先取りしたようなエクステリアを持つ「MUGEN NSX Concept」。登場したのは1992年のことだった。

 デザインだけでなく、フルカーボンコンポジットで作られた本格的なエアロだったが、試作だけで製品化には至らなかった。

 

SPEED STAR 2200

 ホンダ S2000(AP1)をベースにフォーミュラカー風にカスタマイズされたコンセプトモデル。フロントガラス&Aピラーは大胆に取り払われ、助手席はカーボン製のカウルで覆っている。わざわざシングルシーター化した、まさに意欲作だ。

 2000年に製作されたが、このときすでにエンジンを2.2リッターにモディファイしていたのが、いかにも無限らしいところ。

 

CIVIC Dominator

 8代目シビック(FD)をベースにしたコンセプトモデル。VTECのK20Aエンジンをチューニングしたうえで、スーパーチャージャーを追加。最高出力は300馬力となり、ボディやコクピットなども無限流にモディファイ。Dominator(ドミネーター)とは、支配者という意味で、2006年の東京オートサロンで発表された。

 

MUGEN OPEN TOP PURE SPORTS

 2007年、東京オートサロンに展示されたS2000ベースのコンセプトモデル。ワイドフェンダーに開口部の大きなフロントバンパー、ライトまわりの処理やロールバー、そしてカットされたフロントスクリーンなどが印象的だった。

 

CIVIC MUGEN RR

 無限の市販コンプリートカーという長年の夢が実現した。2007年に限定300台、477万7500円というプライスで発売となったが、あっという間にソールドアウト。エンジンはK20Aベースで、2リッターNAのまま、240馬力までパワーアップされた。

 ブレーキやサスペンションにも専用チューンが施され、フロント周りを中心に15kg以上の軽量化で、前後バランスを改良。エアロパーツも無限製で、空力的にもマイナスリフトを達成している。素材はドライカーボンを惜しげもなく使い、ボンネットだけは衝突安全を考えてアルミ製にしてある。

 

CR-Z MUGEN RZ

 無限のコンプリートカーの第2弾は、ハイブリッドのCR-Z。2012年に300台限定で449万4000円でリリース。

 吸排気系やコンピュータ、そして目玉となる遠心式スーパーチャージャーを加え、パワーで36ps、トルクで4.1kgmアップと、約30%の出力向上を果たしている。サスペンション、ブレーキ、エクステリアも無限チューンで、ハイブリッドスポーツとして熱い走りを楽しめるクルマを目指していた。

 

S660 MUGEN RA

 2016年に登場した無限のコンプリートカー第3弾。これまでのコンプリートカーと違って、289万円と手の届きやすい価格で、660台限定で発売された。

 八千代工業 四日市製作所のラインで、最初からカスタムパーツを組んで生産されるため、交換した純正パーツは無駄にならず、結果的にコストを抑えることに成功している。BBSの専用ホイールやビルシュタインダンパー、ドライカーボングリル、RA専用バッジなどが特徴だ。

 

その他

 ストリームをベースに、ボブスレーをイメージしたコンセプトモデルの「M6 RACING MUGEN STREAM」(6人乗りスポーツ/2001年)や、ル・マンで活躍したV型8気筒・4リッターのレーシングエンジン=MF-408をレジェンドに積んだコンセプトモデル「MUGEN LM」(レジェンド マックスの略)というとんでもないコンセプトモデル(2005年)もあった。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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