追悼の市販スポーツカー「Ferrari Enzo」
一方、画期的な進展を果たしたモダン・フェラーリの市販車を選りすぐった「ハイパーカー展」にも注目。まず、1984年の「GTO」を最初に紹介したい。伝説となったグラン・ツーリスモ・オモロガートの名前を「250GTO」から受け継ぎ、復活させるためにデザインされたアイコニックなモデルだ。
さらに3年後の1987年、現代のスーパーカーすべての元祖となる「F40」を発表。創業40周年記念として造られた真のサーキットモデルで、ターボエンジンの搭載と、当時F1で主流となっていた複合素材の採用で、猛烈なパワーとパフォーマンスを発揮した。
さらに1995年の「F50」はGTの衣こそ纏ってはいるものの、本質的にはF1カー。F1マシンに由来するエンジンが、ストレスメンバーとして初めてモノコックシャーシにダイレクトマウントされている。
そして2002年、1988年に亡くなった創業者に捧げられたハイパーカー「Ferrari Enzo」の開発にはミハエル・シューマッハも参加。ミハエルの発案で一連のスイッチをステアリングホイールに集約するという、革新的なインターフェイスを備えた。
最新モデルは2013年に発表されたクーペの「La Ferrari」と、2016年デビューのタルガトップ「La Ferrari Aperta」。いずれも新世代のF1にインスパイアされた、ハイブリッドのHY-KERSパワーユニットを搭載している。
最後に、オーナー自身が既存の車両をカスタマイズできる「P80/C」のコンセプトモデルも展示。昨年4月に発表された「P80/C」は「488 GT3」をベースにしたフェラーリ史上唯一のワンオフモデルだが、このテーラーメイドプログラムをミュージアム内に再現している。
来場者はカラーパレットやファブリック、レザーのサンプル、その他多数の素材を選ぶことで、文字通り無限の組み合わせがイメージできるようになっている。