3戦すべて優勝者が異なる混戦模様へ
6月8日~9日、宮城県スポーツランドSUGOにある西コースを舞台に、「ドリフトキングダム第3戦」が開催された。第2戦を欠席した土屋圭市審査委員長が戻り、さらにSUPER GTシリーズにニスモチームから参戦し活躍する現役GTドライバー、松田次生選手も審査員として今季初合流。さらにD1GP初年度から参戦しており、過去に幾度もタイトル獲得経験を持ち、今シーズンから審査員に加わった今村陽一審査員とともに3名による審査で開催となった。
今シーズン、出走台数が少なかったキングダムだったが、今回はプロクラスで22台、クラブマンクラスが18台のエントリーを受け付け、選手層も厚い一戦となった。クラブマンクラスでは、予選トップの河南勇太選手(#26 オートアスリート・ガレツネ1号/S15)を準決勝で破った飯田真司選手(#49 SecondStageクレスタ/JZX100)が今季初優勝。ランキングトップに船橋 竜選手(#64 ガレージミラルダS14 VL/S14/62ポイント)が浮上し、谷岡昭夫選手(#12 Mon-To-Blan/AE86/50ポイント)が追いかけるという構図に代わっている。
そしてスタートした予選単走セッション。一本目で、前田翼選手(#74 VITOURオディエイティー/RPS13)が、土屋圭市審査委員長から満点の100点を獲得し、久しぶりに覇気を見せるが、安定の速さを見せる“予選番長”の川井謙太郎選手(#109 AUTO-TEC チェイサー/JZX100)が、加点でそれを上回って予選トップ通過。これに前田選手、そして長瀬幸治選手(#54 HIRANO TIRE/JZX100)、平山 敦選手(#823 REAL FAST シルビア/S15)が上位で通過していく。
ベスト16によるトーナメント追走決勝では、やはり、追走は驚愕のテクニックを持つ中村選手の走りに注目が集まる。もちろん、その多くが中村選手の圧勝という構図。しかし、今回のキングダムは少し違った。
1回戦では、ポイントランキング3位で予選3番通過の長瀬選手が、敗れはしたものの中村選手を相手にしっかりと鼻先を入れることに成功。続く2回戦でも、増田和之選手(#100 ORVISレーシングマークII/JZX100)がしっかりと張り付き、最後は5コーナーで中村選手の腹にマシンを突っ込んでしまって敗退したものの、周囲の想像を超える追走をみせ、会場も大いに盛り上がる。
これには「長瀬、増田といった中村のインを指すやつが出てきたってことは、今後めちゃくちゃ期待できるし、みんながうまくなってきているということを実感する1戦だったね。この“中村上等”って走り、いいじゃん」と土屋審査委員長も絶賛。
また、松田審査員も「今シーズン初審査となりましたが、各選手が昨年よりレベルが上がってきていました。中村選手の参戦の相乗効果なのか、近い将来が楽しみです。ただ、今日はマシントラブルが多かった。そこは残念でしたね。それと、今回は川井選手が予選だけでなく決勝でもしっかり結果を残してきてて、次の無敵化も近い感じですね。次回の走りにも期待しています」とコメント。
ドリフトキングダムも後半戦へと折り返し、続く第4戦は、8月17日(土)~18日(日)の2日間、栃木県・日光サーキットで開催となる。