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NASCARトラックシリーズ第9戦、服部監督が率いるHREは2戦連続で8位フィニッシュ

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)

ダメージを負いながらも後半はトップを快走

 アメリカでもっとも人気のある自動車レース・シリーズ「NASCAR(ナスカー)」の3大カテゴリーの一つである「2019NASCAR Gander OutdoorsTruck」シリーズは、シーズン第9戦が6月7日に第5戦の舞台でもあったテキサス州フォートワースにあるテキサス・モーター・スピードウェイで開催。ついにプレイオフまでの前半戦を折り返ししたわけだ。

 テキサス・モーター・スピードウェイは1周1.5マイル(約2.4km)のクアッド・オーバルである。第9戦の「SpeedyCash.Com 400」は、167周で戦うレース(第1・第2ステージ40周、最終ステージ87周)。

 このシリーズで昨年のチャンピオンチーム「Hattori Racing Enterprises(HRE)」は、NASCAR唯一の日本人オーナーである服部茂章氏が2008年に立ち上げたチーム。今季は、このトラックシリーズのドライバーにAustin Hill(オースティン・ヒル)選手を起用している。今回の16号車は、Ennis Steel Industries, Inc.のスポンサードを受け、オレンジ色のカラーリングを施した#16「ENNIS STEELTOYOTA TUNDRA」で参戦した。

 決勝前日の6月6日(木)に行われたフリー走行では、1回目は8番手、2回目は14番手で終了。3回目は3番手まで挽回。翌7日(金)夕方の予選では、5番グリッドを獲得。スピード自体は前日よりも更に伸びており、マシンは好調であった。

 午後9時にスタートしたレースは、序盤からアクシデントが頻発。28周目までに3回のイエローコーションが発生し、さらに35周目には多重クラッシュにより赤旗でレースが中断した。

 #16「ENNIS STEELTOYOTA TUNDRA」はスタートダッシュを決めて、そうそうに3番手にポジションアップしたが、そこからハンドリングのコントロールに苦しみ、一時9番手までポジションを下げてしまう。しかし、イエローコーションを挟みながらもなんとかリスタートなどでプッシュを続け、第1ステージ終了時には2番手にまで順位を戻す。

 この後ピット作業をこなすものの、コース上にとどまった車両もいたため、第2ステージは15番手からスタート。しかし、58周目の第4コーナーで他車と接触し、16号車はその弾みでウォールにヒットしてしまう。右フロントのフェンダー部分にダメージを受けていたが、幸い大事には至らず、ピットに戻した16号車をクルーは直ちに修復し、26番手でコースに復帰。その後も徐々にポジションを上げて行き、第2ステージを11番手で終える。

 そしてピットインした後、13番手から第3ステージがスタート。この時点の16号車はダメージを負ったとは思えないほど好調。オースティンは前方のマシンを次々とパスして行き、数回のイエローコーションを挟んだ108周目、4位に食い込んだ後の113周目のリスタートで2位にアップ、さらにトップに躍り出ることに成功。さらに2位以下を4秒以上も引き離し完全にレースを支配した。

 最終ステージも終盤に入って、残り20周の時点でチームは最後のルーティンのピットワークを行った。作業時間短縮のため給油のみでコースに戻すも、このタイミングでイエローコーションが発生。16号車は周回遅れになってしまう。その後ラッキードッグを獲得し、周回遅れから同一周回に復帰できたが、12番手にまで順位を下げてしまう。残り10周でのリスタートとなったが、ヒル選手は最後まで諦めずに8位でチェッカーを受けた。

 今季2勝目が目前だっただけに残念な結果ではあったが、それでも4戦連続トップ10フィニッシュとなった。ランキングは依然7位をキープしている。続くNASCARトラックシリーズ第10戦は、6月16日(土)、アイオワ州にあるアイオワ・スピードウェイで開催となる「M&M’S 200 presented by Casey’s General Store」に参戦する。

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