憧れのル・マンで併催レースへの参戦準備中
昨年、フレデリック・ソーセ率いる「SRT41」チームに合流し、ソーセ・オーナーとともにル・マン24時間レース参戦への道を歩もうと動き出している車いすレーサーの青木拓磨選手。
そのプロジェクト「- Takuma, Road to Le Mans Project – 」では、昨年フランス国内で行われている耐久レース「VdeV(ベドゥベ)耐久選手権」に参戦(5戦中3度の表彰台を獲得)。そして2年目の挑戦となる2019年は、すでに第2戦までを消化している「UltimateCUP(ウルティメイトカップ)」選手権」というシリーズ参戦中だ。
ウルティメイトカップは、フランス国内で3戦(ディジョン、マニクール、ポール・リカール)、そして開幕戦が行われた ポルトガルのエストリル、チェコのスロバキアリング、ムジェロ (イタリア)、バレンシア (スペイン)の4戦と計7選で戦うこととなる。
そして6月。青木拓磨は、ル・マン24時間レースが行われるフランスのル・マン・ブガッティ・サーキットにいる。24時間レース(6月15日-16日)と同じウィークに開催となる「ロード・トゥ・ルマン(RTLM)」というレースに参戦をするためだ。
RTLMは、ル・マン24時間レースと同じレースウィークに開催。6月12日から走行がスタートし、13日には予選とともにレース1、そして15日にレース2が開催される。2回行われるレースは55分間のセミ耐久レースとなる。
このレポートを書いた段階では、まだ走行は始まっていないものの、レースを前にル・マン入りしたチームはすでに車検など事前の準備を淡々と進めている。そしてこれに合流した青木拓磨選手は、ほかのドライバーとともに、さっそくチーム・ミーティングに参加し、13日から始まる2回のレースに対しての作戦会議を行った。「2020年の24時間レースに向けて、我々は、スピード、そして一貫性、プロ意識をきっちりと証明しなくてはならない」とソーサ代表はチームに檄を飛ばす。そしてチームは明日からの走行に備えることとなる。
青木拓磨選手は1998年に2輪GPマシンのテスト中の事故によって脊髄を損傷。下半身不随となったものの、レース活動のフィールドを4輪に移し、積極的にレース活動を行ってきた。レース活動を再開するにあたり、世界一のレースに出たい、ということでこれまでパリダカ(ダカールラリー)に参戦。そして、現在の活動であるル・マン24時間レースへの挑戦を目指しているのである。