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車いすレーサー青木拓磨がル・マン24h併催レース「ロードトゥ・ルマン」で走行開始!

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明

ル・マン24時間レースを目指すチームが参戦

 ル・マン・サルト・サーキット(フランス)を舞台に開催となるル・マン24時間耐久レース。レースウィークがスタートし、すでに走行セッションがスタートとなっている。そのル・マン24時間耐久レースと併催となる「ロード・トゥ・ルマン(RTLM)」に、車いすのレーシングドライバー青木拓磨選手が参戦。こちらも走行セッションがスタートした。

 このRTLMに参戦する車いすレーサーの青木拓磨選手は、フレデリック・ソーセ率いる「SRT41」チームの84号車に乗り込み、ル・マン24時間耐久レースと同じコースで走行を行った。

 改めて説明すると青木拓磨選手とは、1990年代に2輪のレース界で活躍し、世界ロードレース選手権(現MotoGP)に参戦をしていた1998年テスト中の事故によって脊髄を損傷。下半身不随で車いす生活を送ることになったものの、その後モータースポーツフィールドを4輪に移し、積極的にレース活動を行ってきた。レース活動を再開した当時から「世界一のレースに出たい」という思いを持っており、憧れのル・マン24時間レースへの挑戦を模索してきた。

「RTLM」とは、ル・マン24時間耐久レースを目指すチームが参戦するレースで、GT3車両(メルセデスAMG、フェラーリ488、ポルシェ911、ベントレー、アストンマーティン・ヴァンテージ)が17台、そしてLMP3車両33台がエントリーしている。

 青木選手が所属する「SRT41」チームは、オーナー、そしてドライバーが身障者で構成されている。オーナーのソーセ代表は四肢切断、ベルギー人ドライバーのナイジェル・ベイリー選手は青木選手と同じく下半身不随、フランス人ドライバーのスヌーシー・ベン・ムーサ選手は左手首から先がない。マシンは、ウルティメイトカップLMP3クラスに参戦をしているマシン『リジェJS P3』だ。

「RTLM」はル・マン24時間レースと同じレースウィークに開催されるが、現地時間で12日(水)は1時間の走行セッションがあり、翌13日(木)には1時間の練習走行セッション、そして2回の予選セッション、さらには決勝レース1が行われる。そして休息日を挟んで15日(金)の24時間耐久レース前にレース2が開催となる。

 24時間レースとは異なり、2回行われるRTLMのレースは、2レースとも55分間のセミ耐久レース。耐久とはいえレース時間は短いのでドライバーの交代は1回のみということになる。そのため、今回は比較的短時間に車両の乗り込みができるスヌーシー選手を軸に2つのレースを戦うこととなる。

 わずか1時間という12日の走行セッションは、翌日が予選とレースで控えていることもあって、予定している課題は多数。しかし、この日はまさに「ル・マン・ウェザー」。雨が降ったり止んだりが延々と続く一日であった。午後8時半からスタートとなった1回目の練習走行でも、路面はハーフウェットの状態で、セッション中に豪雨もあり、スタート直後から赤旗中断。また、84号車にもミッショントラブルが発生し、タイム的には厳しい結果となったが、このセッションで走行をしたスヌーシー選手と青木選手は、それでも初めてのサルト・サーキットを楽しんだ。

 走行後、青木選手は「とてもエキサイティングなコースでした。路面は少し濡れていたこともあってグリップが足りず、またミッショントラブルも発生していたため、タイムを狙うというところまではいきませんでした。自分が次に乗るのは予選セッション、そしてすぐに決勝レースとなってしまいますが頑張ります」とコメントを残した。

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