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エンジン出力「kW」表示はわかりにくい! 従来の「PS」から変更された理由とは

この記事をまとめると

■kWは国際単位系である”SI”単位系の表記
■これまでpsやHPなど地域によって表記がさまざまだった
■クルマ雑誌などでは今でも慣れ親しんだpsで表現されることもある

国際規格で”キロワット”で統一する動き

 自動車のカタログには諸元表、つまりスペック表があり、そこにはエンジンの出力が記されているのはご存知だろう。その単位が最近のものについては、今まで馬力と呼ばれていたの”PS (ピーエス)”から、”kW(キロワット)”へと切り変わっている。慣れの問題かもしれないが、たとえ”PS(もしくはps)”が併記されているといっても、”kW”というのはピンとこない人も多いだろう。

 たとえば、軽自動車の64PS規制は47kW規制になるし、以前あった280PS規制も206kW規制となるので、いまいちハイパワー感がなくてピンとこない。ちなみに換算は1PS=0.7355kWでとなる。PSと同様にエンジンのトルクを表す単位もkg-mからN・mへと変更された。1kg-m=9.80665N・mなので、ほぼ10をかければいいので、こちらは比較的にわかりやすい。

慣れ親しんだ単位が変更された理由とは

 ではなぜ、変更されたかというと、1999年に新計量法が交付されて、国際単位系である”SI”単位系を使用しなくてならなくなったから。天気予報で以前のミリバールからヘクトパスカルに変更されたのと同じだ。

 日本で使われていた昔の「尺貫」もそうだが、単位というのは、国によって単位が異なることが多い。”尺”はほぼ消滅しているが、インチやポンドなどは今でも限定的に使われている。

 馬力についてもpsはドイツで、フランスのHPやイタリアなどのCVなどがヨーロッパで使われていて、なかでもHPはPSと同じ「馬の力」を意味するものの、数値的にはわずかだが差があるのだ。

統一化の流れは必ずしもわかりやすくはない!?

 このような状態は確かに紛らわしく、他地域の人にはわかりにくいので、国際的に統一しようということで、kWへと切り替わった。いまや、クルマは超グローバルなものだけに統一化には意味があるのは事実だ。

 しかし、冒頭のようにkW表示を見かけるようになってから10年以上経つものの、今でも微妙に慣れない人はいるだろう。ゆえに”最高出力500PS突破!!”の方がわかりやすく、雑誌やWEBの記事では今でもPSが使われることが多い。

 このような単位の統一はさまざまなもので国際基準が導入されているが、世界的に見ると日本は律儀に守っている面も多かったりするのだ。

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