周囲への思いやりが交通の流れを円滑にする
もはや社会現象になりつつある「あおり運転」。死傷者を出す事態にまで至っている、常軌を逸したあおり運転は、とうてい許されるものではない。クルマという、使い方を間違えれば命さえ簡単に奪うことのできる「武器」を操縦している、その意識が希薄すぎる人が増えている恐怖も実感させられる。
ただ、何も原因がないのにあおり運転をするかと言えば、そうではないはずだ。中には自分よりも高級車に乗っているから許せない、といった嫉妬心からくるものや、そもそも人格に問題がある人もいるだろうが、多くの場合は、あおり運転に至る何らかの要因があったと考えるのが自然だろう。ところが、その点についてはほとんど議論されていないように感じる。
誰もが運転をしていれば、一度や二度は「イラッ」とくる瞬間に遭遇するのではないだろうか。時にはもう少しで事故につながるところだった、というような危険行為を受けて「ヒヤリ」としたこともあるだろう。その「イラッ」や「ヒヤリ」が周囲のドライバーの逆鱗に触れてしまい、反射的にあおり運転を引き起こしている、という可能性は大いにある。