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2020年ル・マン24時間レース参戦を目指す2人の日本人ドライバー

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明

ル・マンの登竜門レース「RTLM」に参戦

 元2輪トップライダーで、不慮の事故ののち車いすのレーサーとして各方面で活躍する青木拓磨選手が、2020年のル・マン24時間レース参戦を目指して活動している。2019年は、ル・マン24時間レースの前座レースとなる「ロード・トゥ・ル・マン(RTLM)」に、身体障がい者だけを集めて結成したフレデリック・ソーセ率いるSRT41から出場。来年への夢をつないだ。さらに青木拓磨選手と同じようにル・マン24時間レース参戦を目指す日本人がもう一人いたのだ。

 2020年のル・マン24時間レース参戦を目論み、2019年のRTLMに参戦したもう一人の日本人レーサーが山中選手。インタープロトシリーズ開催2年目から、インギングの3号車にFLYING RATの名で挑戦を続けるジェントルマンドライバーだ。

 山中選手は、今年のル・マン出場24時間レースの前座レース「ロード・トゥ・ル・マン(RTLM)」に3台体制で出場したニールセン・レーシングに合流。ジェームス・リトルジョン選手とペアを組み、ゼッケン18のリジェJS P3(LMP3クラス)で挑戦した。ちなみにRTLMは、その名のとおりル・マン24時間レース参戦を目指すチームとドライバーが集まるレースだ。

 山中選手もル・マン24時間耐久レース参戦を目指し、13.6kmの特設コースであるサルト・サーキットを実際に走ることができる、このRTLMに参戦したわけだ。日本人で初めてル・マン24時間レースに参戦(1973年)するなど、海外レース挑戦のパイオニアとして活躍してきたレジェンドドライバー・鮒子田寛さんが、現地まで応援に駆け付け、山中選手にアドバイスなどを行った。山中選手にとっては、来年のル・マン24時間レース本戦参戦に向け、まずは肩慣らしといったところだろう。 レース1は、イエロー区間無視の裁定を受け、ペナルティで順位が降格し31位となってしまったが、山中選手がスタートドライバーを担当したレース2は無事に走り切って18位でレースを終えた。

 ル・マン24時間レースを主催するACO(フランス西部自動車クラブ)は、アジア地域でスポーツカー耐久レースの「アジアン・ル・マン・シリーズ」を開催。シリーズチャンピオンを獲得したチームには、ル・マン24時間レースの出場権利が与えられる。山中選手は、このシリーズへの参戦を開始する予定だという。

 2019-2020シーズンのアジアン・ル・マン・シリーズのカレンダーは、11月22-24日上海インターナショナル・サーキット(中国・上海)、2020年1月10-12日ベンド・モータースポーツパーク(南オーストラリア)、2月14-15日セパン・インターナショナル・サーキット(マレーシア・セパン)、2月21-23日チャン・インターナショナル・サーキット(タイ・ブリラム)の4戦となっている。アジアン・ル・マンでの活躍、そして来年のル・マン本戦への挑戦に期待したい。

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