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アウトドアの可能性を広げる、クルマの天井に取り付けるルーフテントが注目されているワケ

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TEXT: 大森弘恵  PHOTO: 大森弘恵

リーズナブルで設営&撤収もカンタン

 ルーフテントが人気の理由は、キャンピングカーほどコストをかけることなく、どこでも広げるだけでフラットな寝室を確保できることだろう。通常のキャンプ用テントに比べても設営や撤収が簡単。そしてクルマのルーフに取り付ける市販のベースキャリアを利用するため、クルマを買い換えてもベースキャリアを移し替えすれば、利用し続けることができるのだ。では、どんな選択と注意点があるか説明しよう。

 

ルーフテントとベースキャリアの関係

 気になるのは、市販ベースキャリアの耐荷重は50〜100kg程度であるということ。ルーフテント本体だけの重量でも約40〜60kgなのだが、はたして人が乗っても大丈夫なのだろうか、という疑問だ。

 ベースキャリアの耐荷重は、キャリアメーカーが多様な路面・速度で安全に走行できるかをテストした結果。現状では、大手キャリアメーカーは、静止状態で使用するルーフテントのテストを実施していないため、ルーフテントの使用はあくまで“自己責任”となる。ただし、キャリアメーカーのひとつ「ヤキマ」は自社でルーフテントを製作しており、サイトを確認すると自社製ルーフテントに対する対応キャリアが掲載されている。

 また、車幅や全長からはみ出すようなルーフテント(収納時)を取り付けての走行は違法行為。その上で、ルーフテントの前後をバランス良く積むためにも、最低でも長さ1/3の位置で支える必要がある。たとえば、長さ200cmのテントならばベースキャリアの間隔70cm以上を確保したい。そこでまずは以下3点の注意項目をあげておきたい。

1.ベースキャリアの耐荷重は、ルーフテント重量+αの余裕が必要
2.ルーフテントの収納サイズとベースキャリアが車幅以内に収まる

3.ルーフテントの長さは200〜220cmなので、ベースキャリアの間隔は70cm以上。70cm以上を確保できない場合は、横に展開するルーフテントならば取り付けの可能性あり

 あくまで車両へのルーフテント装着は自己責任ではあるが、これらの条件を満たせば、軽自動車への取り付けも夢ではない。

 

縦置き横置きシェルタイプも

 クルマのサイドに展開するタイプは、ルーフ面積の小さなクルマにも取り付けやすい。ピックアップでは、荷台にバーを取り付けることで積載可能だ。防水カバーが出入り口を覆うタイプなら、テント内に雨や日差しが入りづらいという安心感がある。

 収納は防水カバーをかけて。ラダーを引き出してから下げることでテントが展開するタイプが人気を集めている。

 こちらはシェルタイプ。屋根部分が樹脂製で、防水カバーは不要。収納時には少々空間が生まれるので寝袋や着替えなどちょっとしたモノを入れたまま畳めるのがうれしい。閉じた時は、ルーフボックスのような形状になる。

 片側のみを持ち上げるタイプは狭そうに思えるが、室内高がかなりあるので着替えもラクラク。

 また、ダンパー付きならワンアクションで展開できるため、背の高いミニバンでも扱いやすい。畳むときはロックを解除し、ヒモを引っ張ればいい。

 こちらは同じくシェルタイプで、前後を持ち上げるルーフテント。どちら側に頭を向けても圧迫感がないのがメリットだ。ダンパー搭載のモノもあるが、ハンドルで回して上下させるタイプもまだまだ多い。2カ所を持ち上げるので、比較的車高の低いクルマ向きと言える。

 近年は老舗のオートホーム社以外に多くのルーフテントブランドが誕生しており、耐候性やデザインなど各社それぞれにこだわりをもって製作している。

 おかげで重量・サイズ・展開システム以外にも選ぶ楽しさが生まれたルーフテント。夏のキャンプシーズンを前に、愛車と相性のいいモデルを探してみてはいかがだろう。ちなみに本体の価格は15〜40万円ほど。

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