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スカイラインGT-Rという、いまなお世界で愛され続ける国産スポーツカー

豪州で誕生50周年を祝うイベント開催

 日産スカイラインGT-R(R32〜R34)は一部を除き、海外への正規輸出はしていなかった。しかし、それでも世界各国には日本屈指のスポーツカー、GT-Rを愛するユーザーが多い。オーストラリアで開催された、GT-R50周年イベントのレポートが届いたので、世界のGT-Rオーナーについて考えてみたい。

「自動車イベント『Motor Ex』のなかで、GT‒R50周年イベントが開催されますよ」と、オーストラリアからメールが届いた。現行型のR35型から、GT‒Rは世界戦略モデルとなったのだが、それでも外国の人々がGT‒R生誕50周年を祝うというのは、どこか不思議だった。

 会場となったのは、メルボルンの中心からクルマで10分ほど走ったフレミントンのショーグラウンド。千葉県にある幕張メッセの2〜3倍くらいの広さがあるらしい。そこで行なわれる「Motor Ex」という大規模な自動車イベントの一角にGT‒Rが集まるという内容のようだ。

 その模様がわかる写真をオーストラリア在住のヒトシさんが送ってくれた。当日のオーストラリアはすっかり秋。初日は10台のGT‒Rが集まったそうだ。R32が3台、R33が4台、R34が2台、そしてR35が1台。不思議なもので、正規輸入されている現行型のR35が一番少ない。

 とくに何をするわけでもなく、GT‒Rをズラリと並べる。それだけでも楽しいと感じるのは万国共通のようで、ヒトシさんも愛車R34のそばにいると、「お前のか?」「綺麗だね」「俺のドリームカーだよ」などと、ひっきりなしに話しかけられたとのこと。

 じつは、オーストラリアでは「バサースト(豪州で開催の耐久レース)」での活躍を知っているので、GT‒Rの知名度や人気は高い。他ジャンルが集まるイベントでもGT‒Rを知っている人が多いという。そして、写真を見て感じとれたのはクルマがキレイなこと。ショーに展示するのだから当然なのだが、ショップのデモカーと思われるクルマ以外、見た目はほとんどノーマル状態であり、過度なイジり方はせず、大切に乗っているという印象だ。異国の地で自然にGT‒Rが受け入れられているのも誇らしげに感じた。

 しかし考えてみれば、過去に紹介したアメリカのイベント「R’s DAY」もそうだ。第2世代のスカイラインGT-Rが現役だったころは正規輸入されていないのに、なぜここまで多くのオーナーが集まるのか。彼らはどこでGT‒Rの存在を知ったのだろうか。正規輸入していない=故障やトラブルがあったときにパーツを用意できない、という心配はないのだろうか。疑問は浮かんでくるが、彼らなりに上手く付き合っているようだ。

 もうすぐ世界最大級といわれるGT-Rの祭典「R’sミーティング」の季節がやってくる。年々海外から遊びに来る人も増加しているが、彼らの目に日本で行なわれるGT-Rイベントはどのように映っているのだろう。世界中のRオーナーが一生乗り続けたいと感じてもらえたら、最高の幸せだと思う。

*記事はGT-Rマガジン No.147より抜粋

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