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米国ヒルクライムレースで初参加の日本人ドライバーがトヨタ86で予選3位のタイム記録

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明

タイムの伸びしろを残すルーキーの吉原選手

 アメリカ・コロラド州にある標高4302mを誇るパイクスピークという山へ登る公道を使用して1916年から始まっているヒルクライムレース「第97回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(パイクスピーク)」。97回目を数える今年も6月30日(日)の決勝を前に、25日(火)から恒例通り4日間にわたる練習走行と予選がスタートした。

 パイクスピークでは、全長20kmに及ぶ競技区間があるが、それを通しで走行できるのは決勝日の1回のみ。事前に行われる練習走行では、20kmの競技区間をボトム、ミドル、アッパーの3つのセクションに分けて、それぞれを走る。エントラントは3グループに分けられ、3つのセクションを1日1つずつ走行。つまり3日間でトータルすれば全競技区間を走行したことにはなるが、通しで走らないと露呈しないマシンセッティングもあるはず。そんな一発勝負なのが、パイクスピークの特徴の一つでもある。

 日本人ドライバーが参戦するタイムアタック1クラスはグループAに分けられている。グループAは25日アッパー、26日ボトム、27日ミドル、そして追加練習日となる28日は再びボトムと、2回ボトムセクションを走行することとなる。ちなみに、このボトムでのラップタイムが予選タイムとなる仕組みだ。つまり練習走行2日目となる26日が、予選日ということとなる。

 26日もスケジュール通り午前5時半、まだあたりがうっすらと明るくなり始めたタイミングで、セッションはスタートした。ボトムのスタート地点は、そのまま決勝のスタート地点となる。練習も兼ねた走行がスタート。1台ずつコースインしていくのだが、グループ内のマシンがすべて走り終わると再びスタート地点に一斉に戻る形式になっている。ボトムセクションは3分割したコースの中で最も距離が長いこともあり、全マシンが走り終えるまで、それなりに時間を要する。それゆえ計測(走行)回数も非常に限られることとなる。ただ、この日の予選では、大きなトラブルもなく無事に3回の走行が行われた。

 この日の走行時間は、前日と同じく好天に恵まれた。トップタイムは、ロビン・シュート選手(#49 2018年式 Wolf TSC-Honda)の3分31秒047。2番手のタイムが3分51秒097を出したタイムアタック1クラスのラファエル・アスティア選手(#19 2017年式 ポルシェ911 GT3 Cup Turbo)となった。

 4輪59台、2輪27台が参戦する今回のパイクスピークだが、そのうち30名がルーキーとして初挑戦している。吉原大二郎選手(#86 2013年式トヨタ86)もそのルーキーの一人。ところが、この日の3番手タイム(4分4秒430)をマークしたのだ。

 吉原選手はこれまで何度かパイクスピークへの参戦エントリーはしていたものの、実際の出走には結びついていなかった。今回の参戦車両のトヨタ86は、エバーシヴ・モータースポーツが所有し、3年前までにロブ・ウォーカー選手が実際にこのパイクスピークに参戦していた。マシンとしては、今年5回目の参戦となる。吉原選手は、過去にこのチームでの走行経験はなかった。だが、Formula Driftで吉原選手をサポートしているエネオスが、このチームをスポンサードしている関係で今回のコラボレーションが実現したわけだ。

 パイクスピークについては「すごく楽しくて、予想していた通り。これまでパイクスピーク経験者のケン具志選手や吉岡稔記選手にアドバイスもらったり、ビデオとかシミュレーターで勉強してきたんですが、なかなか奥が深い、思ってたより深いですね」と吉原選手。

「昨日は一番難しいといわれているトップセクションを始めて走行したんですが、思っていたよりもすごく路面がバンピーで、ブラインドコーナーもわかりづらくて、全然プッシュできなかった…・・・。一番難しいところが全く乗れていないけれど、次が本番という。これこそがパイクスピークの難しさ、ですね。今日からレンタカーでトップへ登ってどこまで安全に速くいけるか、勉強します」とルーキーらしいコメントをしている。

「ただ、今日のボトムセクションは、2週間前の練習走行でもしっかり走っていて、今日の予選では、チームが目標としていたタイムよりも、速く走れたので満足しています」と手応えを感じている様子。

 同じタイムアタック1クラスに参戦する小林昭雄選手(#249 2000年式ポルシェ911GT3)のタイムは4分52秒737。「昨年よりは少しまともに走れたかな。クルマは基本タイヤ以外は変わっていなくてセットアップを少し詰めることができて、ドライバーが慣れた部分もあって、前回よりも10秒近くタイムを短縮できて、少しは競技レベルになってきたかな」とコメントしてくれた。 日産リーフe+で参戦する奴田原文雄選手(#230 2019年式日産リーフ)は、充電トラブルがあって充電容量不足の状態となってしまっており、1本目は昨年のタイムを上回る5分6秒167のタイムで走行。そして2本目の走行でさらにタイムアップを狙ったものの、途中で電欠し、予選アタックを終了せざるを得なくなってしまった。 明日27日は予選最終日。4輪のグループBが予選を行い、予選トップ(出走順)が決定する。

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