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「止まる」 それとも「左右に避ける」? 緊急車両が近づいたときの「正しい行動」とは

この記事をまとめると

■基本は左に避けること
■一方通行などでは例外もある
■歩行者などもすぐに避けなければならない

緊急自動車の進路を妨げないことが最重要

 消防車、救急車、パトカー、応急作業用自動車などがサイレンを鳴らし赤色の警光灯を点けながら人命救護のため、現場に急行している場合、一般車両は速やかに道を譲る必要がある。これはドライバーなら当然知っているルールにもかかわらず、最近、緊急自動車への道の譲り方がわかっていないドライバーが増えてきている。あらためて、もう一度確認しておこう。

左側によって避ける

 サイレンを鳴らし赤色回転灯を回しながら緊急自動車が近づいてきた場合、一般車両は道路の左側に寄るのが大原則。ただし道路交通法では、左によって進路を譲ることは明記してあるが、徐行や一時停止は義務付けていない。 これを勘違いして直線路で救急車両との距離がかなり離れているにもかかわらず、道端によってクルマを止めてしまう人がいるが、これはケースbyケース。高速道路でも、進路は譲る必要があるが、徐行や一時停止の必要はない(マナーとして、スローダウンはするように)。

 したがって、左によって停車しないクルマを見つけて、「違反だ」と糾弾するのはお門違い。要は緊急自動車の進路を妨げないことが肝心なのだ。

交差点を避けて道路の左端に一時停止をする

 上記とは反対に、交差点付近で緊急自動車が近づいてきた場合は、交差点の手前で停車するか、左折、もしくは直進して、交差点を出たあと一時停止する義務がある。 交差点内で道を譲るのは原則として禁止。だが、赤信号で自車が緊急自動車の進路を塞いでしまうケールでは、クルマを動かし進路を譲ることを優先させなければならない。

一方通行の道では右側に寄るのも可

 一方通行の道でも左側によって進路を譲るのが原則だが、もし、左側に寄ることがかえって緊急自動車の進行の妨げになるような状況なら右側に寄るのもOK。つまり、一方通行の道に限っては、左右の避けやすい方にクルマを寄せるのが正解ということだ。また、複数の車線がある広い道路で緊急車両が車線中央を通過することがある。このようなときも臨機応変に緊急車両の進行を妨げないような行動をしてほしい。

 これらに反して、緊急自動車に道を譲らなかったり進路を妨害した場合は、緊急車等妨害違反もしくは本線車道緊急車妨害違反で、いずれも違反点数1点、反則金6000円(普通車)のペナルティとなる。 またオーディオなどの音量が大きく、緊急自動車のサイレンに気が付かなかったという場合だと、安全運転義務違反(違反点数2点、反則金9000円・普通車)に問われることもあるので要注意。

 その他にも、救急車の後をピッタリ追走していくクルマをときどき見かけるが、あれも基本的にはNG。そのクルマに乗っているのが、救急車で搬送されている病人やけが人の家族だとしても、救急車と一緒に信号を無視したり、他のクルマに道を譲ってもらったりするのは道交法違反となる。 信号などを守りつつ、緊急自動車の走行を妨げなければ、緊急自動車を追走すること自体は問題ない。しかし、緊急自動車を追走することで、同じような特別な扱いを受けようとするのは違法になる。

歩行者でも「救急自動車」を優先する必要がある

 もうひとつ、歩行者や自転車であっても救急自動車を優先する必要がある。ときどき救急自動車が近づいてきているにもかかわらず、普通に(早足で?)横断歩道や交差点を渡っている歩行者や自転車を見かけるが、あれはぜひともやめてほしい。 とくに自転車は法律上は「軽車両」なので、クルマと同じように緊急自動車には進路を譲る義務がある。

 歩行者も罰則はないにせよ、緊急自動車に対しては「歩行者優先」の考えは捨てて、緊急自動車の進路を妨げないというのが、大人としての常識だ(子供にもよく教えておこう)。

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