復活希望なモデルをピックアップ!
世界的なクロスオーバーSUVブームは減速する気配がありません。日本市場でもSUVを求める声は日に日に大きくなっている印象です。トヨタRAV4、ホンダCR-Vも日本のマーケットに帰ってきました。この2モデルはクロスオーバーSUVの元祖。つまり多くのチャレンジャーが存在していました。思えば、過去に日本で生まれながらもいつの間にか姿を消してしまったSUVは少なくありません。そんなモデルの中から復活希望な4台をピックアップしてみました。
日産テラノ
1990年代のRVビームの中心にいたモデルのひとつが日産テラノ。その初代モデルはダットサントラックのフレームをベースとしつつ、V6エンジンを設定するなどプレミアム感のあるモデルとして人気を集めました。当時のライバルはトヨタ・ハイラックスサーフです。
いずれもスキーブームと相まってヤング層が憧れる「おしゃれクロカン」といったキャラクターを新たに提案したことは自動車史におけるエポックでしょう。1995年にフルモデルチェンジした2代目テラノでは、上級グレードに前後駆動力配分機構をもつフルタイム4WDシステムを搭載するなどハイテク・クロカンといったムードも備えたことで、さらに独自のキャラクターに磨きをかけました。
日本では2代目で途絶えてしまったテラノですが、海外では「パスファインダー」の名前でいまもモデルライフをつないでいます。とはいえ、3代目ではV8エンジンを搭載するなど大きく成長しましたが、現行パスファインダーはエンジンを横置きにしたFF(前輪駆動)ベースのクロスオーバーSUVとキャラクターを変えています。初代テラノのような本格クロカンのメカニズムとカジュアルな雰囲気のキャラというコンセプトは、乗用ベースのクロスオーバーSUVばかりだからこそ、輝くのではないでしょうか。
ホンダ・クロスロード
2007年2月に誕生しながら2010年8月には販売終了となってしまった悲運の都市型SUVがホンダ「クロスロード」です。全長4.3m以下という小さなボディですが、スクエアな形状の中に7人乗り3列シートをたくみにパッケージ。
最低地上高も185mmを確保するという悪路走破性も併せ持った、まさにユーティリティビークルといえるモデルでした。サスペンションもフロント:ストラット、リア:ダブルウィッシュボーンとなっていたのもマニアには高い評価を受けたポイントです。
道具感とおしゃれのバランスも優れたエクステリアもクロスロードの魅力。たしかに販売面では失敗作というべきなのかもしれませんが、クセのあるSUVが目立つ現代において、シンプルでカジュアルな商品企画は再評価されるべきではないでしょうか。再チャレンジを見てみたい一台です。
ダイハツ・テリオスキッド
スズキ・ジムニーが売れに売れています。2019年5月の軽自動車セールランキング(全軽自協調べ)では月販2327台で、軽自動車ランキングの12位。モデルチェンジ間近とはいえ、ホンダN-WGNより売れているのですから、その人気は本物です。
いまや軽自動車のクロカン4WDとして孤高の存在ともいえるジムニーですが、かつてはライバルも存在していました。それが1998年の規格変更の際に誕生した三菱パジェロミニとダイハツ・テリオスキッドです。ジムニーとパジェロミニは3ドアボディでしたが、テリオスキッドは5ドアボディだったのが特徴。
駆動方式はフルタイム4WDとFR(後輪駆動)を設定、4WDではセンターデフのロック機能を持つという本格派でした。ファミリーカーのようなルックスながら、その中身はけっこう本格派の4WDだったのです。「ロッキー」や「ラガー」といった独自のクロカン4WDモデルも出していたダイハツの面目躍如といった軽SUVの元祖的モデルです。
FFベースでの復活ではなく、東南アジア向けモデルに使っている縦置きパワートレインを利用して、本気のリメイクを期待したいところ。ジムニーの勢いを考えれば、それなりに市場はありそうです。
トヨタFJクルーザー
2018年1月に販売終了となったFJクルーザーは、そのノスタルジックなルックスからもわかるように、FJ40型ランドクルーザーをモチーフとしたヘリテージモデルです。日本仕様は4リッターV6エンジンで、そのデザインコンシャスなボディは観音開き左右ドアが特徴。
パートタイム4WDというメカニズムも、レトロなルックスに似合ったものでした。この手のヘリテージモデルは、企画的に一回だけになりがちですから、FJクルーザーが生産終了してしまったのは仕方がないことかもしれません。しかしFJクルーザーの世界観がこれっきりとなってしまうのはいかにも勿体ないと感じます。
たとえば『ムース(ヘラジカ)』の愛称で呼ばれたFJ55型ランドクルーザーをモチーフとした、新しいFJクルーザーの提案などを期待してしまいませんか。