ホイールのセンターを出すための対策
自動車の重要な役割を果たすホイールには、リム幅、P.C.D.、インセットなど、各部においてサイズや寸法がある。これを元にクルマに装着できるか、さらにはカスタマイズにおいてはツライチ(ホイールとフェンダーの面が揃った状態)など、最終的には実装着しないとわからない部分もあるが、うまく履くことができるかどうかの目安になる。
そのなかで忘れがちなのが「ハブ」だ。運行の要、つまり中心となる空港(飛行場)をハブ空港と呼ぶが、クルマも場合も同じ意味でホイールを外すと見える車軸の真ん中部分を指すことが多い。
ハブは大きなボルトが真ん中にあって、そのまわりが輪になっているが、この部分のサイズをハブ径と呼び、自動車メーカー毎に違うし、同じメーカーでも車種で異なっていたりする。当然ながら純正ではハブ径とホイールのセンター部分のサイズが合っているのでピッタリとはまる。そうなれば、中心軸に対してホイールがド真ん中に付くので、高速走行時でもハンドルのブレなどが発生しにくい。よく「ブレが出るとバランスを取るためのウエイトが取れるなどしてバランスが崩れたかな?」と思うが、ハブ径が合っていない場合にも起こるので、両方チェックが必要だ。
テーパーホイールナットの装着でセンターを合わせることができる
またハブ径が合っていないことが原因で振動が出ているのに放置すると、スタッドボルトやボルトに負担がかかり、破断してホイールが外れれば事故につながる可能性も出てくる。
前述のように純正ホイールではハブとピッタリ合うように作られているが、社外ホイールではすべての車種に対応することはできないので、一般的に大きめに作られている。そうなるとハブとホイールがぴったりと合わないので、振動が出やすくなるが、対策としてセンターの出やすいテーパー状のホイールナットを使用する場合が大半だ。
ホイールの受け側、そして座面もテーパー(斜め)になっているのは、ナットを締め込むと自然にセンターになるという理屈。精度という点では不安は残ることもあるが、実際は問題ないレベルになると言っていい。また、確実にはまるように専用の機械(手でも可能)で振動を加えながら装着すると、センターの精度をさらに高めることができる。
このハブとホイールの受け側のサイズの差を解消するためにあるのが、ハブリングだ。ハブにはめるアタッチメントで、内径(車両側のハブ径)と外径(ホイール側のハブ径)それぞれ様々なサイズが用意されていて、合う寸法のものを選んではめたうえで、ホイールを装着すればハブ部分が密着する。
すでに触れたように、ハブリングがなくても問題がない場合もあるが(ホイールメーカーによっては車種別ハブ径を設定している)、価格も高くはないので、やはり装着はしていたほうが安心だ。