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ドリフトに挑戦をしてみたい人にオススメのスポーツカーとは

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

3つの条件が整えばウデを磨くだけ

 日本が発祥の比較的新しいモータースポーツジャンルのドリフトに向いているクルマの条件は、フロントエンジン/リア駆動方式のFR車で(MRやRRはコントロールしにくい傾向)、パワフルなドリフトがしやすいターボ車で、タマ数が多く、パーツが豊富なクルマといったところ。これらの条件にあてはまるクルマというと、ほとんどひと昔前のクルマばかりになる。

 日産でいえば定番中の定番といえるのが、シルビア(S15)。ドリフト車といえばこのクルマを抜きには語れないほどドリフト向きで、パワー、ボディサイズ、重量バランス、コントロール性、そしてパーツ類の豊富さは群を抜く。そういう視点から見ても、S15シルビアがナンバーワンといえるだろう。

 また、1988年から1993年に販売されたS13型シルビアの兄弟車、180SXも文句なしと言える。外観の好き嫌いを抜きにして、ハッチバックスタイルということで、重量バランスとリア周りのボディ剛性がシルビアとはやや違う。180SXの方が重量バランスはややリア寄りで、ボディ剛性もソフト。その方がコントロール性がいいと好む人も多い。

 日産車でもう一台上げておくと、ER34型スカイライン。ドリフトでは、意外にもホイールベースが長い4ドアボディの方が安定感があってコントロールしやすい。グレードで言うならば、25GTターボが狙い目だろう。

 そして、ホンダのFRスポーツというとS2000ぐらいだが、ハンドリングはナーバスなクルマでドリフトのコントロールは簡単ではない。パワフルだがNAエンジンというのもネックなので、ホンダには該当車なし。

 マツダはRX-7、RX-8、ロードスターと、FRスポーツがたくさんあるが、マツダのスポーツカーは、スタビリティよりアジリティ重視で、切れ味鋭いコーナリングが特徴。ウデに自身ある人は別として、ドリフトをキープするのは得意としない。しかもRX-7以外は自然吸気エンジンだし、マツダ車はグリップ走行の方がオススメといえそうだ。したがって、日産車以外で頼りになるのはトヨタしかない。

 トヨタでいえばX100系のチェイサー(マークII、クレスタ)が有力。チューニングパーツも多く、4ドアボディでスライドする感覚が掴みやすい一台だ。もう一台は、トヨタ86(スバルBRZ)。ターボモデルがないのはタマにキズといったところだが、パーツも多いし中古車のタマ数も多くなってきた。現行モデルの中から選べる数少ないクルマといえるだろう。

 そして最後は、最新のGRスープラ。最も安いSZでも新車価格500万円近いので、ドリフトベースにしようという人も稀だろうが、FRのピュアスポーツとしては最良のボディパッケージを誇る。さらに50:50の重量バランス、フラットトルクでパワフルなターボエンジン、高剛性ボディ、電子制御サスや電子制御LSDを武器に、抜群のトラクション性能を発揮。

 パワースライド状態になってもだらしなくテールが滑り続けることはなく、流れながらもクルマが前へ前へと進む力を持っている。8速ATしか設定されないが、じつは驚くほどドリフト走行に都合がいいポテンシャルを持つ1台といえるだろう。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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