キャンプ道具を積める余裕のラゲッジスペース
アウディ ジャパンは、新たに開発したクーペスタイルのフルサイズSUVであるQ8を発表した。全国のアウディ正規販売店を通じて販売を開始する。4ドアクーペを思わせるデザインと大型SUVの機能性が融合され、スポーティかつラグジュアリーなモデルを求めるユーザーにとって注目すべき存在となるだろう。
近年、新型車がもっとも多く登場しているジャンルと言えばSUVクラスである。大小さまざまなモデルがラインアップされているが、なかでも大型SUVは高級サルーンに代わる選択肢として注目されている。全長は5mに達し、全幅も1900mmを超え、日本の交通環境では持て余すほどの大きさだが、それゆえにインパクトは十分。高級車然としたゴージャスな内外装の作り込みや最新鋭のメカニズムの採用、さらにSUVならではの優れた実用性も相まって、新たなステータスシンボルとしての地位を確立している。
そんな大型SUVの新たな選択肢としてアウディQ8が加わった。アウディにはQ7という大型SUVがラインアップされているが、Q8はQ7よりもスポーティでラグジュアリーなモデルを志向するユーザーに向けて開発されたモデルで、アウディQシリーズの新たなフラッグシップとなる。
全長4995mm、全幅は1995mmというサイズはQ7と同等となるが、全高がQ7より30mm低い1705mmに設定され、優雅な弧を描くクーペ風のルーフラインとフレームレスドアの採用により、スポーティかつエレガントな印象が際立っている。精悍なフロントエンド、短いリヤオーバーハング、最大245mmの最低地上高、さらに最大22インチの大径ホイールによって、大型SUVにふさわしいダイナミズムが表現されているのもエクステリアにおける大きな特徴と言えるだろう。
大柄なボディサイズと2995mmというホイールベースを生かし、車内には5名の乗員でも十分なスペースが確保され、どの席でもゆったりと乗車できる。とくにリヤシーは最大で100mmのスライド調整機構を持ち、乗員の足もとにゆとりを確保できるうえに、荷室スペースの拡大にも有効だ。
運転席まわりは、快適なドライブをサポートするユーザーインターフェイスとして、デジタル時代にふさわしい新しいインフォテインメントシステム「MMIタッチレスポンス」やアウディバーチャルコックピットを採用。MMIタッチレスポンスは、インフォテインメント用の10.1インチタッチパネルをインストルメントパネル上部に設置し、空調や文字入力に用いる8.6インチタッチパネルをその下方に配置。これにより、ボタンやスイッチを削減し、美しくクリーンなインテリアデザインを実現。フルデジタルメーターのアウディバーチャルコックピットと相まって、より直感的な操作が行なえ、走行中でも的確な情報伝達を可能にしている。
技術的な部分でも最大22個のセンサーやカメラの統合制御による高度なドライバーアシスタンスシステムや高効率パワートレイン、ダイナミックな走りをもたらすシャシー技術といった、アウディが持つ先進のメカニズムが数多く採用されている。ドライバーアシスタンスシステムでは、緊急時に車両を自動的に走行車線内に停止させるエマージェンシーアシストをアウディ車として初めて装備。
パワートレインでは、48Vの高い電圧とリチウムイオンバッテリー(10Ah)、ベルト駆動式オルタネータースターターを用いたマイルドハイブリッドシステムを採用することで、高性能と高効率をさらに高い次元で両立している。この新しい48V MHEVシステムによって、22km/h以下でのエンジンのストップ&スタートと最大12kWという高いエネルギー回生能力を実現している。 またダンピングコントロールサスペンションや、後輪を最大5度操舵するAWS(オールホイールステアリング)といったシャシー技術は、そのルックスに見合ったスポーティなドライビングの実現に貢献。さらにアダプティブエアサスペンションを選択すれば、走行状況にあわせて車高を+50mmから-65mmの115mmの範囲で調節が可能となり、オンロードでのダイナミックなハンドリングと快適な乗り心地、そしてオフロードの走破性をさらに高い次元で実現することが可能だ。
車両価格は、ベーシックな55 TFSIクワトロが992万円、55 TFSIクワトロ デビューパッケージ Sラインと55 TFSIクワトロ デビューパッケージラグジュアリーが1102万円となる。アウディQシリーズのフラッグシップとあって高額だが、それに見合った満足感やステータスは大いに得ることができる。