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大切なクルマを長期保管する時にやっておくべきこと6つ

クルマは放っておくと調子が悪くなる

 クルマは乗ってナンボというのは事実だが、すべてのクルマが日々動いているわけではない。逆にまったく乗らないということもある。

 たとえば、仕事で海外赴任したり、予期せぬ入院をする場合など。また、旧車ではコレクションとして保管したり、部品待ちで長期間そのままということもある。経験がある人はわかるだろうが、最近のクルマでも長期間動かさないでいると調子が悪くなることがあるし、最悪の場合かからなくなることもある。 

 また、中古車の場合だと、年式に対して走行が極端に少ないからとバリモノ(程度がいい中古車)というわけでもなく、逆に調子はよくなかったりすることもある。長期間保管など、クルマを長い間動かさないときの注意点を整理してみよう。

1:定期的にエンジンをかける

 これは基本中の基本。かけるときはすぐに止めるのではなく、水温計が動くまで待つようにする。

 このとき、できれば近所を1周するなど近距離でいいので走行するとベスト。もしできない場合は、その場でいいので最低限ミッションを動かしてやる。MTなら各段に入れ、ATでもすべての段にシフトしてやる。そうれば、ミッション内のオイルが多少動くことで、ギヤやクラッチが固着するなどのトラブルを防ぐことにつながるのだ。

 

2:タイヤの接地面を変える

 ゴムでできているタイヤは同じ場所に力がかかり続けるとそこだけ平らになってしまう。いわゆるフラットスポットができるのだ。

 そこで、できれば定期的に少しでいいので動かして接地している部分を変えてやる。もしくは、ジャッキアップしてウマをかけておく手もある。

 また空気圧は、やや高めにしておく方が、変形しにくくなるのでいいだろう。

3:ガソリンの腐りに注意

 ガソリンは腐るのはご存知だろうか。半年ぐらいから劣化し始めて、1年も経つと腐ってしまうことが多い。腐ると色が変色するし、猛烈な悪臭もする。またインジェクター内部で固着が発生したりして、エンジンがかからなくなる。

 対策としては携行缶を使って定期的に新しいガソリンを混ぜてやるか、可能ならすべて完全に抜いて保管するか。燃料の劣化を抑える添加剤も各社から出ているので、それを使うのも手だ。また、ガソリンは満タンにしておくほうがいいだろう。

 最近のクルマの燃料タンクは樹脂製が多いためサビなどは出ないが、ガソリンの気化などでタンクの内圧が大きく変わるとタンク自体が破損するなどのトラブルも。もちろん、金属製タンクを使っている旧車の場合は、サビ防止のために満タンは必須だ。

 たまに乗って給油に行ければベストなのだが、いずれにしてもガソリンは腐るというのは頭に入れておいたほうがいいのは確かだ。

 

4:バッテリーの端子を外す

 最近のクルマはバッテリーの端子を外すと、コンピュータの自己診断機能のバックアップが消え再始動時に警告灯が出たり、オートアジャストシートの設定が消える場合があるなど、やっかいなことも多い。ただし、エンジンなどをコントロールする主要なデータは、バッテリーを外しても消えないようになっているため、走行に支障が出ることはない。ましてや、そんな機能が装備される前の旧車の場合は、長い間乗らないなら、バッテリーは外しておいたほうがいい。

 これはクルマの劣化防止というよりも、バッテリーがもったいないから。クルマには暗電流と呼ばれる時計などの作動用の電気消費があるので、乗らなくてもバッテリーの電気を使っており、そのまま放置すると上がってしまうのだ。外して単体で保管しておけば結構もつ。もし端子を外さない場合は、定期的に充電するか、ソーラーバッテリーをつなげるなどの処置をしておく方がいいだろう。

 

5:ゴム部品に保護剤を塗る

 クルマには、エンジンルーム内のゴムホースやドア周りのウェザーストリップ類、ドライブシャフトブーツなど、意外とゴム製パーツが使われていることが多い。

 そして、ゴムは経年劣化しやすい素材だ。長期保管はもちろん、乗っていても年式が古いクルマのゴム製パーツは油分が抜けてしまい、ヒビが発生することも多い。定期的にシリコンオイルスプレーなどの保護剤を塗っておくと、油分が補給されしなやかさが持続する。

 

6:窓を開けて換気する

 閉め切って、空気がこもったり、湿気が多かったりすると、シートの裏側などにカビなどが発生してしまうことがある。長い間乗っていなかったクルマがすえたようなニオイがするのはこれが原因だったりする。家と同じで、空気を入れ替えないとダメというわけだ。

 車両の長期保管に必要なことは、厳密に言うと、クルマを保管する環境や期間、クルマ自体のコンディション(年式、走行距離、整備状況など)で変わってくる。例えば、屋根がある車庫に入れておく場合と野外に駐車する場合では、クルマの痛み具合に差が出てくる。

 上に挙げたものは、あくまで必要最低限の注意事項だと考え、それぞれの状況に応じた最適な方法を取るようにするべき。分からないことがあれば、ディーラーや購入店などに相談しよう。

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