充電設備の軒数はガソリンスタンドとほぼ同数
ところが急速充電器は7700基、普通充電器では2万2500基と整備が進み、充電設備は日本全国で合計3万200基も設置されている(2019年2月末現在 ゼンリン調べ)。これはガソリンスタンドの軒数3万747(2018年3月31日現在 経済産業省発表)にかなり近い数に達しているのだ。
「そうは言っても、見かけたことがない」と不安に思う人は多い。なぜなら、充電設備はSSほど大掛かりでないためだ。意識していれば、高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)、市街地では日産や三菱などの販売ディーラー、道の駅、大手スーパーマーケット、あるいはファミリーマートなどのコンビニエンスストアなどに、充電器は設置され、そこには青地に白の線画でEVを描いた看板が出されているのに気づくはずだ。
航続距離は400km前後まで進化
また、EVの航続距離も急速に増加。日産が今年発売したリーフの大容量バッテリー仕様リーフe+(イープラス)は、WLTCモードで458kmを実現している。
また、BMWのi3は360kmであり、現在EVの航続距離は概ね400km前後がひとつの指標となっていると言える。事実、メルセデス・ベンツ初の電気自動車であるEQCでは、同じくWLTCモードで400km(欧州仕様車)とされているのだ。
今日、ディーゼルエンジン車やHVでは、1回の給油で1000kmも走れるクルマがあるが、ひと昔前の国産車がガソリン満タンで走れる距離はやはり400km前後であった。燃費の飛躍的向上や、HV技術の浸透などで給油回数は減っているが、エンジン車に乗っている人であれば、現実的には400km前後を目安に給油している人もいまだに多いと思う。
つまり、EVの走行距離や、充電設備の普及は想像しているよりEVを不便なく使える環境へと近づいているのだ。したがって、「EVが遠出に向かない」と言うことは、すでになくなってきているのではないだろうか。