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バイクとクルマがカオス!高い運転スキルが必要なタイの交通事情

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田了

バンコクの街中に溢れる交通移動の熱気!

 タイのブリーラム県にあるチャーン国際サーキットで開催されたSUPER GT第4戦の取材は今年もまた、空路バンコクに入ってスワンナプーム国際空港から約400kmの陸路を走ってサーキット入りする行程だった。

 バンコク市内を半日、散策したのだが、街中は、相変わらずとてもエネルギッシュ。10数年前に初めて訪れた時にも、タフでハードな交通環境は驚きの連続で、その様子は日本の中小型2輪や箱車での草の根レースと評価が高いそれぞれのレースがごちゃ混ぜ。「まるで日本のレースの“もて耐”や“DE耐”と“Joy耐”が同時にスタートするみたい」とレポートしたことを思い出す。

 SUPER GTのレースで取材を終え、地下鉄との乗換駅でもあるマッカサン駅に程近いホテルに投宿。翌日の午前中に付近を散策してみたのだが、10数年たった今でも、バンコクの街中は、相変わらずとてもエネルギッシュだった。

 大通りが交差するこの交差点は現在、立体交差の工事中で、その影響があるのかもしれないが終日大渋滞。停止線を少しオーバーしたところに、主にバイク・・・・・・日本で言うなら125cc以下の原付2種スクーターがメイン。その一団の後方にクルマが3列縦隊で信号が変わるのを待っているのだが、まずバイクのエリアの“密度”が高いこと。さらに目を凝らして見ていくと、左折レーンから歩道の島を突っ切ってバイク・エリアの前方に“横入り”する猛者も少なくない。そして信号が変わると先ずはバイクが一斉に動き出す。

 信号機を見てみると直進方向と右折方向の矢印があって、交差方向の矢印が赤になってから一呼吸置いて、こちらの矢印が青信号に変わる、いわゆる全赤式となっているのだが、渋滞のためなのか右折できなかったクルマがまだ交差点の中にいるタイミングで交差方向の矢印信号が青に変わるからもう大変!

 中には気の弱いドライバーが運転していたのか、交差点の中で交差するバイクに周りを取り囲まれて立ち往生するケースも見受けられた。国内でも「※※走り(地名。特に名は隠す!)の運転は酷いよなあ」などと話題になることがあるが、正直レベルが違う! 

 これをみると、バンコク市内では絶対に運転したくない、と思ったもの。ただ10数年前、行きはドライバーに運転してもらい、バンコク市内を抜けてから運転を交替。帰りは市内ダウンタウンにあるHondaのオフィスまで自分で運転したことを思い出した。渋滞が今ほど酷くなかったからか、それとも今ほど歳とっていなかったからかは、良く分からないが、あの渋滞の中を走行できたのだった。

バンコク市内は走る自動車博物館

 そんなバンコク市内は、まるで街中が自動車博物館のよう、と評されるほど新旧様々なクルマが走っている。

 展示してある訳じゃなく走っているから“動態展示”ということになるのだが、大型バスやトラックは、日本車のいすゞや日野が大半を占めていて、トラックは現行モデルやその一代前のモデルが多かったが、バスは、モデル名や型式など当方には判別不能ものが多かった。

 また4tキャブオーバーやピックアップトラックの荷台にシートを備えた乗合自動車も数多く見られた。その一方でトゥクトゥクと呼ばれる可愛らしい3輪タクシーも時折見かけることができた。

 さらに数多く見かけたのがバイク・タクシー。正式な名称は分からなかったが、要はバイクの後席にお客さんを乗せる運送業者。おそらくはオレンジ色のベストが制服となっているのだろう。交差点の近くには多くのバイクとベストを着用した若者がたむろしている場所もあり、例えて言えば東京の青山墓地周辺でタクシー・ドライバーが休憩しているようなものか。

 こういうバイク・タクシーを若い女性が気楽に利用していた。ヘルメットも被らず横座りしているのはいかがなものか、とは思うけれど、公共交通機関として認知されているのだろうと思った次第。

 僅か数時間の散策で結論付けるのは難しいが、バンコクが相変わらずエネルギッシュだったことは間違いない。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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