クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • カーライフ
  • 【三菱eKワゴン・eKクロス試乗】軽自動車のイメージを一新した高質感な走りと内外装
カーライフ
share:

【三菱eKワゴン・eKクロス試乗】軽自動車のイメージを一新した高質感な走りと内外装

投稿日:

TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: 小林健

豊富な収納スペースと広大なラゲッジ

 運転席からの視界も良好でボディ先端までの見切りもよく、ドライビングポジションがしっくりくるのもeKクロスと同じ。メーター中央のマルチインフォメーションディスプレイは、この新型eKワゴンからカラー表示になり、進行方向がわかりやすい「タイヤアングルガイド」も表示。マルチアラウンドモニターと合わせ、車庫入れや縦列駐車などが不得意な人でも、苦手意識なく運転を楽しめる工夫が凝らされている(最小回転半径も4.5mと小回りは得意)。

 エアコンはタッチパネル式のフルオートエアコンになり、リアにもヒーターダクトがあって、室内は快適。運転席と助手席には全車シートヒーターもついている。また細かいところだが、シフトレバーの位置も高くなって操作がしやすく、アクセルペダルの踏込角度も新型では30度から41度に改良。足が小さい人でも踏みやすく、長時間運転しても疲れないペダル配置になっている。

 もう少し室内の特徴について紹介しよう。インテリアカラーなどは異なるが、基本的にeKワゴンとeKクロスは同じだ。

 収納スペースは、「これでもか」というほど確保されていて、使い勝手は抜群。運転席周りだけでも7カ所も小物入れがあり、助手席ドアトリムに車検証入れを設けたことで、グルーブボックスがデッドスペースにならないのはいいアイデアだ。

 リアシートは、背もたれ上部にスライドレバーがあるので、片手で荷室側からでも簡単にスライドが可能。

 このスライド量がかなり大きいので、シートを後ろいっぱいに下げれば、リアシートの足元はリムジン並みの広々したスペースになる。逆に、後席を前にスライドさせれば荷室が大きく拡張するが、それでも十分に乗車できるスペースは残されている。リクライニングもワンタッチで使いやすい。

 今度のeKには、「高速道路 同一車線運転支援技術」=「マイパイロット」(日産の「プロパイロット」の流用)が初採用。これも高速道路で試してみた。主な機能は、車線中央キープと車間距離キープ、そして渋滞追従完全停止からの再スタートで、便利は便利だと思うが、オプション価格が7万円(電動パーキングブレーキとセットの「先進快適パッケージ」)というのは悩ましいところ。

 というのも、「渋滞追従完全停止からの再スタート」は、先行車の停車に合わせて自車が停止したときに停止後3秒以内に先行車が走り出すと追従走行を再開するが、3秒を超すと他車のACC(アダプティブクルーズコントロール)同様、自分でアクセルを踏むか、ハンドルの「RES+」スイッチを押さないと動き出さない。

「車線中央キープ」も、両側の車線や先行車の有無で、制御の入り方に違いがあり、安定感というところでは疑問が残る。もちろん「マイパイロット」はいわゆる自動運転ではなく、あくまで「運転支援技術」なので頼り切ることを前提にしたシステムではない、だが、なまじ自動運転に近いだけに、期待してしまう自分がいた。

 渋滞が発生しやすい休日の高速道路を利用する機会が多い人ならコストに見合うかもしれないが、それ以外の人は費用対効果についてじっくり検討してもいいだろう。

 ただこの「先進快適パッケージ」に含まれる、電動パーキングブレーキは裏ワザがあって、緊急時には、運転者以外の人が電動パーキングブレーキをONにすると、リアブレーキだけでなく4輪のブレーキが働き急制動がかかる。これもテストしてみたが、制動力はかなりのもの。想定したくはないが、運転者が急に意識を失ったり、その他の危険が迫った際は、同乗者が急ブレーキをかけることも可能だ。

 試乗を終え、eKクロスは、走り、機能、クオリティに関しては、いまの軽自動車の中でも抜きんでた存在で、堂々としたファーストカーとして通用するレベルと確信できた。

 またeKワゴンも、走りがよく、クルマとしての基本がしっかりできていて、使い勝手がよく、リーズナブルなベーシックグレードというより積極的に選択肢に加えたい仕上がり。

 これ一台あれば、乗用車としては十分という意味で、ekクロス/ekワゴンともに軽自動車のハイトワゴンでは傑作車として太鼓判が押せる一台だ。

123
すべて表示
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
著者一覧 >

 

 

 

 

 

 

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS