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運転免許証の自主返納で得られる特典! マイカー維持費かからず乗車料金が割引に

タクシー利用料は10%割引

 高齢者の運転による事故が社会問題となり、運転免許証の返納が推奨されています。最初に断っておきますが、年齢で区切っての運転免許証の返納については私は反対です。「年齢が何歳なのか?」ということではなく、「運転できる能力があるかどうか?」で判断すべきで、きちんと精査することが大切だと考えます。場合によっては「自動ブレーキや急発進防止装置付きの車両限定」というのも効果はあるでしょう。

 運転が難しくなった人が運転免許証を返納した際に、どうやって移動手段を確保すべきか。これは非常に重要な課題です。東京の埋め立て地のように平坦な道ばかりで、近くに商店や病院などの施設があるような場所ならば、徒歩やバスなどを使った移動だけでも生活は成り立つでしょう。

 しかし、坂の多い地域やバスの本数の少ないような地域では、外出そのものが難しくなることは目に見えています。そこで期待されているのが、免許返納によって得られる「タクシーの割引サービス」といった特典です。

 タクシーの割引きについては、10%割引きがよく見られます。高齢者の場合はシルバーパスによってバスが無料になっていることもあり、いくら割引とはいえタクシー利用は割高と感じるでしょうが、マイカーにかかる費用(車両代、税金、保険料、ガソリン代など)を支払っていることを考えれば、年間コストはさほど高いものにはならないはずです。

 軽自動車でも車両代金と維持費で年間12万円だとすれば、月に1万円のタクシー代を使っても同額。マイカー利用者が駐車場まで借りているとなれば、車両維持のコストはさらに掛かるわけです。

 ただ、コストだけで物事を考えることはできません。いつでも自由に移動できるということもクルマの大きな魅力。コスト以上のメリットがあるから、自分でクルマを所有し、自由に出かけるのです。そうしたことが、人生に活気を与えますし、人間らしく生きることでもあります。

 なお、「運転免許を返納する=身分証明書がなくなる」ということに不安を覚える人もいるでしょう。現在は運転免許を返納すると運転履歴証明書という免許証とよく似たデザインのカードが発行されます。このカードには顔写真が付いていて、運転免許と同様に公的身分証明書として利用可能。タクシーの割引サービスなどを利用するときも有効になります。

 他にも運転免許証の返納によって得られるサービスはさまざま。これは企業がビジネスチャンスがあると考えているからにほかなりません。タクシー会社にしてみれば、1割引きであっても自家用車を使われるよりも、タクシーを使ってもらったほうがいいというわけです。

 他にも東京にて運転免許証の返納特典を調べていたら、面白いものを発見。それは自動車教習所です。入校者を紹介すると、紹介者に謝礼がもらえたり、入校者に特典があったりするというものです。どうして免許返納者に特典があるのだろうと考えていて、すぐにわかりました。

 それは運転免許がなくて、誰かに代わりに運転してもらうためには運転免許が必要だということ。今まで運転免許がなかった人が、新たに取得することは、自動車教習所にもビジネスチャンスがあるということになるのです。

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