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トヨタ、次世代EV「APM」を発表! 東京オリンピックに向けた新発想モビリティに期待

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TEXT: 会田 肇  PHOTO: 会田肇、Auto Messe Web

サポートを必要とする人に考慮した設計

 東京オリンピック・パラリンピック(以下:オリパラ)のワールドワイドパートナーとして、トヨタ自動車は会場で使う電気自動車(EV)を発表。公開したのは試作第1号で、今後は大会までに開催されるイベントごとにテストを重ね、自動ブレーキの搭載などを含め最終仕様を詰めていくことにしている。

 発表された「APM(アクセシブル・ピープル・ムーバー)」は専用のEVモビリティで、新国立競技場など競技会場内においてラストワンマイルの近距離輸送用を目的に開発。利用者は観客や選手、大会関係者をはじめ、高齢者や障がい者などが対象で、主としてサポートが必要な人の“足”として活用される。なお、披露されたベース車のほか、救護仕様車といった派生モデルの展開も予定している。

 車両の最高速度は19km/h、満充電状態での航続距離は約100km。バッテリーは床下に収納され、駆動用モーターを最後部に配置する後輪駆動を採用する。また、トヨタが開発を進めている小型EV用プラットフォームをベースにしており、普通充電のコンセントは運転席右側に配置。200Vで6時間程度かかるという。

 

 ボディサイズはベース車を含め、全長3940×全幅1620×全高2000mmとコンパクト。最小回転半径4.8mの取り回しがしやすい設計となっている。ドアを装着していないのは、空調を必要としないのでエアコンが不要となり航続距離を長くできるからだ。

 このAPMは公道を走ることも想定しており、必要に応じてナンバー取得も可能。オリパラでの提供台数はベース車150台、救護仕様車50台の計200台を計画している。

 ベース車の輸送可能人員は運転者を含む最大6名で、最前列は運転者のみ、2列目に3名、3列目に2名が乗車。運転席は左右いずれからもアクセスしやすいよう中央に配置し、さらに乗客の乗降をサポートできるようにシートポジションは高めに設計した。また、乗客席も左右両側からアクセスでき、シート両サイドの乗り降りには便利な補助バーが設置されている。

 APMを試乗したドライバーによると、「運転席の着座位置が高い上に、ドアがないことで見通しがすべて利くため後退時でも運転しやすい。さらに前方左右のフロアが斜めにカットされているために幅寄せも楽にできる」と語っていた。

 なお、2列目は車いす利用時や荷物を積む時などに折りたたむことが可能。床下には車椅子用のスロープを収納しており、利用時は手動で引き出してフロアに引っかけてセットする。デモを見た限りにおいては1分もかからずに作業を終えていた。

 一方の救護仕様車は、後方から救護用ストレッチャーが出し入れできる仕様。ストレッチャーは2-3列目の半面に載せて固定でき、隣には救護スタッフ用として2席分のシートが用意される。また、オリパラが真夏に開催されるということも考慮し、熱中症患者の頭には冷風が送られるクールスポットも準備されるという。

 雨天時はAPMは全周囲ドアがないため、乗客はピラーに収納したカーテンを使用。なお、シートベルトは最高速度が19km以下のため、装着義務の適用外のため非搭載となっている。

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