サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

ハイエース&キャラバンのトレンドは使い勝手と豪華さにあり【最新キャンピングカー事情】

エントリー仕様から高級キャブコンまで百花繚乱

 根強い人気を誇るワンボックス車ベースのキャンピングカー。トヨタ ハイエースや日産 NV350キャラバンなどの広い荷室は様々なアレンジが可能で、かなりの盛況ぶりだ。東京キャンピングカーショー2019(7月20日~7月21日)には個性的で使い勝手も抜群の新作や人気モデルが大集結。エントリーモデルからこだわりの工法、新作のキャブコンモデルまで、特に注目の5台を紹介しよう。

宮大工工法で”強度”と”優しさ”を両立

 フジカーズジャパンが展示した新作は、なんとベッドやシートなどの家具に”宮大工工法”を使った日産 NV350キャラバンがベースの「フォックス シエスタ リテラ( FOCS SIESTA LITERA)」だ。

 宮大工工法とは、家具の木材に、突起部のホゾとそれをはめ込むミゾを加工し、釘など一切使わずに接合する工法。神社やお神輿などに使われる日本の伝統的な木材工法を使用することで、接着剤の使用を最小限に抑え環境や乗る人の健康にやさしい家具を使用している。走行中だけでなく、ベッドのきしみ音などが軽減し、快適な睡眠が提供できるという。

 そんな室内には、2段ベッドに3人がけが可能なソファ、キッチンに容量40Lの冷蔵庫などを装備。シートはフラットにすると縦1700×横2000(各mm)の広いスペースとなり4人就寝可能。155Wのソーラーパネルやルーフベンチレーター、FFヒーターなどの快適装備も充実しており、乗車定員は7人としている。価格(税抜)は501万3600円。同仕様のハイエースバージョンも設定中とのこと。

 

トイレと収納庫に使える別部屋をセット

 FOCが提案するのは、ハイエース スーパーロングがベースの「銀河」。かつて東京と関西を結んでいた同名の寝台列車をイメージに製作し、大人2~3人がゆったり眠れる2段ベッドや使い勝手に優れるキッチンやダイネットなどを装備。ゆったりとした旅を楽しめる仕様となっている。

 特に注目なのは、車体後部に壁とドアで仕切った別部屋を設け、トイレや収納庫として使えるフリースペースを設定している点。ワンボックスの荷室がいかに広いとはいえ、外装サイズがベース車とさほど変わらないバンコンでは、別部屋を設けるほどのスペースはない。

 トイレはもちろん、荷物などもリビングから見えないようにすることで、よりリラックスできる室内を演出するアイデアはなかなかのもの。ちなみに、ポータブルトイレは標準装備だ。

 他にも、電子レンジや容量40Lの冷蔵庫、ルーフベントやLED照明、家庭用エアコンなど使い勝手がよく快適性を追求した装備を数多く搭載。乗車定員7~8名、就寝定員は3名で、価格(税抜)は645万円。同じくフリースペースを設けた「ナロー銀河:(税抜566万8000円)もある。

 

ロフト風スペースと2色シートでゆとりを演出

 ティピーアウトドアデザインが製作したハイエース スーパーロングがベースの「トラボイLBD200SL/PROナチュラルデザイン」。フロントバンパーに装着したカンガルーバンパーがワイルドなイメージを演出する。

 外装の男前ぶりとは逆に、内装は旅先でのスローライフを意識したアレンジが光る。中でも、注目はまず運転席のすぐ後ろに配したダイニングだ。

 爽やかなマリンブルーと明るいホワイトを配した2人掛け×2脚の対面式ソファが温かみを演出。シックな色調のキャンピングカーが多い中で、南欧のような雰囲気を醸し出す。ソファの生地は手触りがいいファブリック生地を使用し、旅をのんびりと快適に楽しめる演出が施してある。

 そして車体後部にはベッド&カーゴスペースを用意。ロフトをイメージさせる上段をベッドに、下段は長期キャンプにも対応できる荷室エリアとすることで、高い積載性も確保した。

 また、キャビネットなどのウッドマテリアルも使い勝手と南国風味を両立。容量40Lの冷蔵庫や外部ACソケットを装備し、ユーティリティ性を向上させている。

 さらに運転席と助手席のシートはレカロ製を採用し、ロングドライブでの疲労軽減に貢献。乗車定員7名、就寝定員4名で価格(税抜)は615万1900円だ。

 

シートアレンジに特化したエントリーモデル

 ダイレクトカーズが今回新作として展示した「ネクストビンテージ」は、キャンプや旅のために必要最低限なシートアレンジに特化し、価格を抑えたエントリーモデル。

 ベース車は、ハイエース ワゴンGL。シートは2列目と4列目を残し、3列目のスペースを使って様々な仕様に変更が可能だ。フラットなベッドにできるモードや、荷室左右に装備たベッドの台座がそれぞれ対面式の3人掛けソファにできるモード(計6名が座れる)、ベッドと4列目シートを畳んで荷物の積載性を向上するカーゴモードなど、さまざまなアレンジが可能。

 ベッドの台座には引き出し式の収納スペースを用意した。乗車定員は8人、ナビセットやサブバッテリーも装備しつつ、397万4800円(税抜)と手頃な価格とした。

 

高級キャブコン仕様は余裕の室内を提供

 ハイエースのシャシーを使い、オリジナルのキャビンを架装したキャブコンが「モビリティホーム」。これもダイレクトカーズの製作で、バンコンなどのエントリーモデルからステップアップし、より本格的で豪華なモデルが欲しいユーザーへ向けた新作だ。

 エクステリアはノーマルと比べ明らかに大柄。ボディサイズは全長5760×全幅2000×全高2630(各mm)で、全体のフォルムはまさに本格派のキャンピングカー。車体左側後部には引き出し式の収納ボックスを装備するなど、アレンジの効いた積載スペースを設けた。

 インテリアでは、運転席後ろにリビングを設置。高級感溢れるブラウンレザーを張った3人掛けソファを2セット、間にはテーブルも装備し、食事や家族などとの楽しい会話をゆったりと楽しむことができる。

 また、ソファはフラットにすると、縦1900×横1200(各mm)のセミダブルベッドにも変更可能。加えて、リビングのすぐ脇には広いキッチン、上部にはLED照明やエアコンを搭載し、贅沢な空間と快適性を両立している。

 また、室内中央部には、トイレやシャワー室として利用できるマルチルームも設置。後部の2段ベッドは、上下段ともに縦1850×横1050(各mm)で、それぞれ大人がゆったりと眠ることが可能だ。

 他にも、床下のフローリングや収納付き家具、電子レンジ、FFヒーター、リヤのアクリルウインドウなど充実の装備。乗車定員は7名、就寝定員は6名で、価格(税抜)は848万円としている。

モバイルバージョンを終了