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100年以上の歴史を持つ名機 直6エンジンの技術と歴史を振り返る

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田了、TOYOTA、DAIMLER

伝説のシルキー・シックス誕生

 冒頭でも書いたように、直6=BMWと言われるように、BMW製の直6エンジンは高い評価を得てきました。

 特に70年代後半に登場した630CSや635CSiに搭載されていた大排気量(3ℓ~3.5ℓ)のユニットは、シングルカムのOHC/12バルブと、現在の標準的なエンジンからすれば、とてもプリミティブなスペックでしたが、やはりクルマやエンジンは、紙上のデータではなく実際にドライブしたフィーリング。多くのジャーナリストがスムースな運転特性と軽い吹け上がりに感銘を受けたといいます。そんなジャーナリストのうちの一人が「まるで絹のような滑らかなフィーリングだ」と評価。そこから“シルキー・シックス”という表現が誕生したようです。

単体写真を掲載しているのは、後に630CSや635CSiに搭載されて上市され、“シルキー・シックス”との評価を受けるユニットの、最初の仕様である68年式のタイプM30。ドイツはミュンヘンのBMW博物館で撮影。

帰ってきた日本の宝、GRスープラ

 そしていよいよ多くのファンが待ち焦がれていた新型スープラが還ってくることになりました。歴代スープラの文法通り、直列6気筒をフロントに搭載した後輪駆動。過度に大型化していないボディも好印象です。何よりも直列6気筒エンジンには惹かれます。あのBMWとの共同開発で、直列6気筒のベース部分はまさに折り紙つき。

そしてトヨタのエンジニアも開発の早い段階から関わってきただけに、これまでのスープラの後継を名乗るに充分でしょう。透視部分の線画からも、直列6気筒ならではのメカニカル差が伝わってきます。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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