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帰省シーズンに親の運転をチェック!日産が見守りポイントを提案

みぎあしは」がチェックポイント

 ペダルの踏み間違いや逆走などによる、高齢者の危険運転が社会問題化し、免許返納の是非も活発に議論されている昨今。高齢ドライバーを非難する声が多い中、少し変わった視点でそうした問題を考えるきっかけ作りになりそうな、日産自動車の呼びかけが注目を集めている。

 それは、クルマを運転する親・祖父母をもつ全ての家族に向けて、助手席からドライバーを見守り、運転能力を確認することを薦める「#助手席孝行」。帰省などのタイミングを活用し、親孝行を兼ねてドライブを共にすることで、まずは親・祖父母との「気軽な会話」から、今後の運転について考えるきっかけをもってもらいたい、との思いが込められているという。

 助手席から親・祖父母の運転能力をチェックする具体的な方法は、高齢ドライバーに詳しいNPO法人「高齢者安全運転支援研究会」の監修により、誰もが簡単に試せるよう5つのポイントに絞り、その頭文字をとって「みぎあしは」を合言葉としている。

 日産自動車では、実際に3名の社員が「#助手席孝行」をやってみた様子を車載カメラで撮影し、映像でまとめたコンセプトムービーを公開している。

 いずれの親も、日頃からクルマの運転をしている現役ドライバーだが、客観的に助手席から確認するとヒヤリとするシーンがあったり、久しぶりの親子のドライブで思い出話がはずんだり、新たな会話を引き出すきっかけとなる様子がよくわかる内容となっている。

 そもそもこの「#助手席親孝行」は、日産車がかかわる交通事故による死亡・重傷者数をゼロにするという「ゼロ・フェイタリティ」社会の実現を目指す自動車会社の一員として、何かできることはないかという社員の想いから生まれたものだという。

 日産自動車ではこの呼びかけに先立ち、計700名に対して「親の運転に関するアンケート調査」を実施。運転免許をもつ親がいることを必須条件とする20〜50代までの「子世代」が400名、子がいることを必須条件とする60〜80代までの「親世代」が300名が対象だ。

「子世代」では「親の運転を心配している」との回答が71.3%。その理由は「親が交通事故の加害者になることが心配だ」が87%、「親自身が交通事故の被害者になることが心配だ」の72.6%を上回る結果が出た。また、「親が運転する車に乗る機会は、半年に1回以下」という回答が70.6%にのぼり、心配しつつもなかなか親の運転を確認する機会が少ない現状も明らかになっている。

 一方で、「親世代」へのアンケートで「自分自身の運転能力が衰えたのではないかと不安をおぼえたことはありますか?」との質問に対し、「やや不安になったことがある」が60%、「不安になったことがある」が10%という回答。

 そして、誰に指摘されるとそれを受け入れるかとの質問には、「子」が51.7%、「妻/夫などの配偶者」が52%と高く、「警察官など運転の指導に関わる方」20%、「友人」20.7%を超える結果となった。

 こうした結果を踏まえ、より多くの親子・家族が自分たちの身近な問題として、より簡単に、より積極的に運転に関する会話をしていくことが、高齢ドライバーの事故低減にもつながる可能性は高いと考えられる。
 日産自動車では、「#助手席孝行」の呼びかけに関連して、8月2日〜3日に日産グローバル本社ギャラリー(神奈川県横浜市)にて試乗体験を実施する。

「みぎあしは」のチェックシートをもとに、実際に助手席からドライバーのどこをチェックすれば良いかを学びながらの試乗が行えるほか、NPO法人「高齢者安全運転支援研究会」の平塚雅之事務局長による「#助手席孝行」の講演会も開催する。

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