必須項目でない作業が必要となるケース
車検の見積もりに、項目として含まれるケースの多い「下まわり洗浄」。言葉どおりクルマの下まわりを洗うメニューだが、じつは車検をクリアするのに必須というワケじゃない。ただし、オイル漏れやプラスチックやブーツ類のヒビ割れなど、トラブルの早期発見に繋がるケースもあるので、デメリットはないはずだ。
もし手もとに車検の見積もりや明細があれば、そこに「下まわり洗浄」の文字があるか探してみよう。この下まわり洗浄は、ボディの下側を高圧洗浄機でクリーニングし、汚れなどを洗い流すというカンタンなもの。人によっては「本当にそれは必要なの?」と思うかもしれないし、「自分でやれば費用を節約できる」と考えるかもしれない。
トラブルを早期発見できる可能性
では、下まわり洗浄をプロに依頼するメリットを考えてみたい。まずは何といっても汚れを取り去ることで、前述のようにオイル漏れを始めとするトラブルを発見できること。検査官が見逃したりする可能性はあるけど、基本的にオイル漏れがあれば車検はクリアできないし、気付かず放置すればもっと大きなトラブルを引き起こす可能性が高い。
また、すでにオイル漏れの修理を済ませている場合でも、どこかにオイルが付着していれば当然ながら”漏れ”を疑われ、下まわりの検査に余計な時間と手間がかかる。時期にもよるが車検場の検査ラインは混雑していることが多く、スムーズかつスピーディに業務を行なうため、持ち込む前には下まわりを洗浄するのが慣例といっていいだろう。汚れが酷ければ「キチンと整備していないのではないか」と、検査官に与えるイメージが悪くなるのも避けられないのだ。
降雪地域などではスノーシーズン終わりに作業したい
では、自分で下まわりを洗浄するのはどうなのだろうか。ガソリンスタンドの洗車機に『下まわり洗浄』のオプションメニューがあったり、家庭用の高圧洗浄機も手ごろな価格になってきた。それらを利用するのはモチロンOKであり、自分でクルマを持ち込むユーザー車検では、それが唯一の方法といってもいい。
ただし、下まわり洗浄は車検に必要な作業ではなく、主な目的はあくまでもトラブルの発見だ。クルマの下に潜って目視しなければ気付かないことは多いし、場所の特定や修理となれば当然ながらプロに頼むほうが確実。普段から愛車をメンテナンスしていたり、メカの知識や技術に自信がある人なら、作業を楽しみながらDIYするのもいいだろう。
なかでも降雪地帯のユーザーはオススメ。トラブルの早期発見と同時に、凍結防止のために撒かれた塩化カルシウムがサビの発生を進めてしまうため、スノーシーズン終了と同時に下まわりを綺麗にしておくと車体のサビ防止に役立つはず。
予算は5千円程度。必ずしも必要ではないものの、ボディが錆びやすい旧車オーナーや愛車を綺麗に乗りたい人(周りから見えない部分も)には価値あり。あとは、個々がどう判断するか、だ。