使用頻度で変わるボーダーライン
近年、キャンピングカーをレンタルして日本旅行を楽しむ外国人観光客が増えているそうです。それに伴って、レンタルキャンピングカーを扱うショップの数も増加。これまで北海道などの観光地に多かったショップも、いまや東京や神奈川などの都市部でも見られるようになりました。
キャンピングカーが乗用車のように気軽に借りられるのなら、購入するよりレンタルのほうがオトクかも? と考える人もいるでしょう。そこで今回は、キャンピングカーは購入するのがいいか、それともレンタルするほうがいいかをキャブコンをベースにシミュレーションしてみることにしましょう。
【購入】年間にかかる費用は約120万円
シミュレーションに選んだキャンピングカーは、マツダ・ボンゴトラックベースのライトキャブコン。
初心者でも運転しやすいコンパクトサイズでありながら、室内装備が充実した人気カテゴリーで、排気量は1800ccなので税金は比較的安め。車両サイズは約5×2mと乗用車並みなので、特別広い駐車場も必要ありません。
そんなキャンピングカーの購入にかかる費用は、モデルや装備によっても異なりますが、おおよそ以下の通りになります。
<ボンゴベース・ライトキャブコンの購入費用と最低限の維持費>
車両本体価格:約400万円
自動車税:3万1600円(1年)
自動車重量税:2万4600円(2年)
自賠責保険:3万4900円(2年)
任意保険:約5万5000円/年(1年)
駐車場代:8288円×12カ月=9万9456円(1年)
※駐車場代は、2016年における月極駐車場の全国平均相場で算出
印紙代や手数料などを加味しないで、ざっくりとした数字を出すと上記のような具合。ここから車両本体価格を除いた、費用の1年分を計算すると21万5800円となります。
すなわち、4年間乗るとした場合にかかる費用は、21万5800円×4年+400万円=486万3200円。1年あたりにかかる費用を計算すると、486万3200円÷4年=121万5800円と、約120万円ほどの支出となりますが、車検などでかかる整備費用やメンテナンス費用は含まれていないので、実際はもう少しかかりそうですね。駐車場を借りる必要がない人は、これよりも10万円ほど安くすみます。
【レンタル】1日あたり2〜3.5万円
一方、同じグレードのキャンピングカーをレンタルした場合、料金は大体こんな感じです。
<ボンゴベース・ライトキャブコンのレンタル料金(1日/24時間)】
平日:約2万円
土日祝日:約3万円
ハイシーズン:約3万5000円
ショップによって料金は異なりますが、おおよそこれくらいとなります。最近ではキャンピングカー専門のカーシェシェアリングも登場しているので、それを利用するともう少し安く借りられそうです。ちなみにここにはガソリン代は含まれていないし、日数や回数によっては金額が変わることを念頭において考えてみましょう。
結論、購入とレンタルの見極めポイントとは?
ボンゴトラックベースのライトキャブコンを購入した場合、年間にかかる費用は121万5800円でしたよね。この金額で同グレードのキャンピングカーをレンタルした場合、土日祝日の利用料金で、121万5800円÷3万円=40.5。すなわち40.5日借りられることになり、1年間で考えると、月3~4日間レンタルできる計算になります。1泊2日のキャンピングカー旅行に、月2〜3回のペースという感じですね。
このように考えると、週1回のペースでキャンピングカーを利用するとか、夏休みは1カ月ほど北海道へキャンピングカー旅行に出かける、という人なら購入したほうがオトク。月1回(それ以下)のペースで利用するという人ならば、レンタルがオススメということになります。
ただし、所有する期間や売却時のリセーユバリューなど、キャンピングカーを購入するにしても、レンタルするにしても、金銭的な損得だけでは語れません。それぞれに以下のようなメリットもあります。
キャンピングカー購入のメリット
・所有する喜びが味わえる
・家族やペットにあわせてカスタマイズできる
・予約なしでいつでも出かけられる
レンタルキャンピングカーのメリット
・整備、点検、保険などを考えないですむ
・使わなければ維持費がかからない
・使い勝手などの比較ができる(購入時に役立つ)
こんなことも考えて、総合的に選んでもらえればと思います。