自分にとってのベストを見つけよう
大切な愛車はいつまでもキレイに保っておきたいもの。クルマ好きに欠かせない洗車において、よく耳にするのがボディの塗装面を保護する「ボディコーティング」というもの。プロによる作業はもちろんのこと、洗車を自ら行なうDIY派もコーティングしている人が多いはず。
それだけに専門店だけでなく、カー用品店でも数十種類ものコーティング剤が販売されている世の中。今回は、そんなボディコーティングの基本について、幅広い洗車用品を扱う「ソフト99コーポレーション」の北浦サンに話を伺ってみた。
そもそもプロのコーティングとはなにが違う?
プロのコーティング剤には、ロウ成分が主成分のポリマー系や反応硬化型のガラスコーティングなどがあり、数年間の高耐久性があるコーティングも存在する。その反面、費用は高額となりがちで塗装面を整えてから施工するなどの高度な技術や環境が必要なため、DIYが難しい。一方の、ガラス”系”や樹脂”系”の簡易コーティングは洗車のついでにでき、最近では数か月間も効果を持続する商品が増えているそうだ。
「親水」「疎水」「撥水」ってなに?
コーティング剤でよく聞く”撥水”、”疎水”、”親水”という言葉。どんな特徴があるのか、きっちり理解して自分に合ったコーティング剤を選びたい。
【疎水】
水が塊になってスーッと引いていくのが特徴で、水はけが良いのが疎水タイプ。視覚的なコーティング効果は撥水に比べると弱めになってしまうが、汚れが目立ちにくくなるため、洗車の頻度を減らしたい人や屋外駐車場を利用している人にオススメ。ボディと水滴の接触角が60度以上90度未満が疎水と言われている。
【親水】
親水というのはボディに水がベタッと張り付き、写真のように留まっている状態のこと。撥水に比べて水はけが良く、疎水性とは対照的に水となじみやすいのが特徴だが、疎水=親水と同じ意味合いで使うパターンが多い。水玉はできにくいので、ウォータースポット(太陽光によって水滴の跡が焼きつく状態)や水垢などの汚れがつきにくい反面、洗車後の水の拭き取りがしにくい、などの難点もある。
【撥水】
イラストのように、ボディと水滴の接触角が90度以上のものが撥水タイプ。水がかかると瞬時に、コロコロとした水滴になるのが撥水の特徴で、視覚的なコーティング効果が得られる。走行風などで水が転がり落ちるため、ボディが汚れにくい反面、ボディに残った水滴によってウォータースポットがつきやすいデメリットもある。洗車後の拭き取りはラクなので、定期的に洗車するならばオススメ。
このように、必ずしもどれがオススメとはいえないのが事実。保護の耐久性やツヤといったコーティング本来の効果を重視しつつ、さまざまなタイプを比べて自分にとってのベストを見つけるのがいいかもしれません。
なお、コーティング施工前はしっかりと洗車し、表面の汚れを落としておくことが失敗しないための大前提。日中でボディが熱くなりすぎていないか、埃の少ない場所なのか、という施工環境も大切。洗車とセットで定期的に実施してコーティング効果を最大限に発揮させましょう。