冠水した道を避けるのが基本
台風シーズンが到来、またゲリラ豪雨なども増えてくる季節です。道路というのは水が溜まらないような排水性も考慮して作られていますが、大雨になってその能力を超えてしまうと水が溜まってしまうことがあります。いわゆる「冠水」です。目の前の道路が冠水してしまったとき、ドライバーは何に注意すればよいのでしょうか。
まず、大事な基本は「冠水路は避ける」ことです。可能な限り迂回路を検討すべきです。その際にポイントとなるのは、できるだけ高い場所を通っている道を選ぶこと。当たり前ですが、水は低いところから溜まっていきます。大雨で冠水が心配される場合には、アンダーパスを避けるのは当然です。
どうしても冠水している道を通り抜ける必要がある場合は、ガードレールと水面の位置から、水の深さがどの程度なのかを推し量るといいでしょう。おおよその目安として30cmまでの水深であれば通常の乗用車でも走破することができます。ちなみに歩道の高さは15cmとなっていますから、歩道ギリギリまで水が溜まっているくらいの状況であれば走ることが可能といえます。
ただしアンダーパスのような地形の場合は、もっとも低い位置で水が深くなっていることがありますから、要注意。また、水深がわからないような場所では、冠水している箇所に複数の車両が同時に進入しないよう注意したいものです。
前のクルマが走り切るのを確認
ブレーキの効きも悪くなりますから、もし前方のクルマが止まってしまったら、後ろのクルマは追突してしまいますし、アクシデントの規模も大きくなってしまいます。基本的には冠水している箇所は避けるべきですが、どうしても通らないとならないときには先行車両が冠水区間を通過するのを確認して、進入すると安心でしょう。もちろん、先行車が止まってしまったときは、自車でトライするのは危険ですから止めるべきですし、すぐさま救援を呼ぶようにしたいものです。
冠水路を走る場合は、一気に勢いよく走り抜けたくなりますが、それはNG。スピードが上がるとエンジンルームに多量の水が入ってしまうためエアクリーナー部分などから水を吸ってしまいエンジンが止まってしまうことがあります。そのため10km/h程度の徐行で通過するようにしたいものです。
変速しないよう低速で走り切る
また、アクセルをオフにするとマフラー側から水を吸い込んでしまうこともあるので、アクセルは一定で速度を保つようにしたいものです。MTであれば変速をしないことは当然ですし、ATでは変速が起きないようギアを固定できるポジションやモードを選ぶといいでしょう。
なお、エンジン内部に水を吸い込んでしまうと「ウォーターハンマー現象」が起きてしまいエンジン内部に大ダメージが加わります。乾かしても治るものではなく、エンジンをオーバーホールしないといけないくらいの高額な修理となりますので、本当に注意が必要です。