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緊急時に役立つ! 高速道路のキロポストが重要な理由とは

オービス情報もキロポストで表示されている

 高速道路の路肩や中央分離帯に数字の書かれた小さな標識を見たことがあるでしょう。それはキロポストと呼ばれる標識で、高速道路本線上なら100mごとに設置されています。この数字は、各高速道路の起点からの「距離」。高速道路の始まり地点を「起点」、終わりの地点を「終点」と決められていて、「上り線」は起点に向かっていくこと、「下り線」は終点に向かっていくことになります。つまり、キロポストの数字を計算すれば目的地までの残り距離が判断できるわけです。

 そもそもキロポストは、高速道路を管理するために設置された標識です。さらに高速道路で事故や落下物を発見したとき、携帯電話から警察や道路緊急ダイヤル(#9910)に連絡するとき、現場を正確に伝えためにもキロポスト標識の数字を使用することができます。つまり、「落下物を発見しました」と連絡をしても具体的な場所は伝わりません。そのようなときに「○○キロポストで落下物です」と具体的な数字を伝えれば、通報を受けた警察や交通管理隊が速やかに現場に急行することができます。何か道路上で不具合を発見したときは、キロポストの数値を確認するクセをつけておくと何かと便利かもしれません。

 また、休日に高速道路で渋滞にはまって「今、いったいどのあたりを走行しているのだろうか?目的のインターチェンジまで残り何キロあるのだろうか?」というとき、キロポストはひとつの目安とすることができます。ただ、前述のように起点からの距離を示しているわけで、上り線なら起点までの残り距離となりますが、終点に向かう下り線ではどんどん数値は増えて行きます。下り線を利用するとき、目的地のキロポストがわからないときは、NEXCOグループのホームページから使用する高速道路の起点から降りるインターチェンジまでの料金検索をすれば、だいたいの数値がわかります。

 ところが、この起点というのがなかなかくせ者。NEXCOのお客さま問い合わせセンターに聞いてみると、高速道路の起点を示すものはホームページ上にはないそうです。そこで、代表的な高速道路の起点をひとつずつNEXCO東日本、中日本、西日本の各社に質問してみました(管轄外の道路については答えられないとのこと)。

 東名高速の起点は東京料金所、中央自動車道が東京・高井戸、東北自動車道は埼玉・川口JCT、関越自動車道では東京・練馬。起点はほぼ東京が中心になっているそうです。

 他の高速道路の起点をチェックすると、名神高速道路(愛知・小牧)、新名神高速道路(三重・四日市JCT)、中国自動車道(大阪・吹田)、山陽自動車道(兵庫・神戸JCT)となっています。ちなみに北海道は道央道が大沼と札幌ではありません。また九州自動車は福岡・門司が起点です。

 ところが、ちょっと複雑なのが、これらの主要高速道路から分岐して延びる高速道路です。たとえば長野自動車道の起点は、長野・岡谷です。中央自動車道の分岐点ですね。九州の各高速道路は、九州自動車道からの分岐点が起点となっているわけです。つまり、それらの高速道路に入ると、突然キロポストの起点を基準にリセットされてしまうわけです。

 ただ、東名高速の東京料金所から名神高速の西宮料金所までは、2つの高速道路をまたいではいますが、通しでキロポストの表示がされているそうです。つまり、名神高速の起点となる小牧のキロポストは0kmではなく346.7kmとなるそうです。

 日本の高速道路とは「高規格幹線道路」で、通常は「○○自動車道」と表記されています。しかし、東名高速道路と新東名高速道路、名神高速道路と新名神高速道路の4路線のみ「高速道路」と表記されているのをご存じでしたか? 

 東名・名神高速道路は、昭和40年に名神高速道路、昭和44年に東名高速道路がそれぞれ全線開通。日本で最初の高速道路・重要路線として、各方面から注目されてきました。その中で「東名高速」「名神高速」という通称が広く使用され、一般的に定着した背景があるから道路名称として例外的に採用されたそうです。ちなみに、正式名は東名高速道路が「第一東海自動車道」、新東名高速道路は「第二東海自動車道」、名神高速道路は「中央自動車道西宮線」、新名神高速道路が「近畿自動車道名古屋神戸線」となっています。

 また、新東名や新名神のように、まだまだ未完成の区間が残っている高速道路では、突然キロポストの数値がリセットされることがあります。具体的には、大阪の高槻第1JCTが起点で高槻第2JCTが終点で約2kmのキロポストが設置されています。しかし、高槻第2JCTを超えると、再び新名神の起点である三重の四日市JCTからの距離に戻るそうです。

 このようにちょっと複雑な部分もありますが、キロポストはさまざまな用途で使用できるので覚えておいても損はないと思います。例えばインターネットでオービス(速度違反自動取締装置)と検索したとき、間違いなく設置地点はキロポストで表示されていますから。

 

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