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車のヘコミを直す! 格安修理「デントリペア」の作業現場に潜入

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TEXT: Auto Messe Web編集部  PHOTO: 木村博道

工具が入らない場所も修復が可能

 さきほどの疑問を結論からいうと、棒状の工具が入らないような場所もとくに問題なく修復が可能という。例えば、屋根(ルーフ)やボディとルーフをつなぐピラーなどは、袋状になっていて、ほとんどの場合、凹みの裏側への工具のアクセスが不可能。この場合、“プーリング”と呼ぶ、パネルの表面から凹みを引っ張る方法で修復。今回、ルーフピラーが歪んでしまったVWゴルフで試していただいた。

 まず、“タブ”と呼ばれる樹脂製のピンをパネルに溶着。それをリフターという専用工具を使ってグイグイ引っ張りながら整形を進めていく。簡単そうに見えるが、金属製のリフターはそこそこ重さがあり、凹みの形状や深さ、どの部分に応力が加わっているかを的確に把握しながら力加減を調節、元のパネルラインに戻していくデリケートな作業だ。

 凹んだ鉄板を引っ張り、わずかに凸状になったらところで、先端が柔らかい樹脂状のポンチをハンマーで叩き、少しずつならしていく。この「引っ張る」「叩く」をひたすら繰り返すことで元のラインに復元していくのだ。

タブと呼ばれる樹脂製の吸盤の種類は数え切れないほど存在する

 金枝さん曰く「裏から凹みを叩き出す作業と違って、プーリングは塗装が剥がれてしまうリスクがあるので、とても神経を使います。したがって、塗装が劣化しているなどのクルマにはおすすめできませんね」とのこと。

 実際に仕上がったルーフを見れば、どこに凹みがあったかわからない仕上がり。費やした時間はおよそ3時間だった。

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