M型の後継、2リッターに特化したG型が登場
熟成が続けられていたM型でしたが、70年代も終わりになる頃にはやはり、基本設計の古さが目立つようになってきました。そこで後継モデルが開発されることになるのですが、先ずは2リッターに特化した、言い換えれば排気量拡大を前提としないエンジンとしてG型が登場しました。
ファミリーの中で最初にデビューしたのはSOHC12バルブで電子制御式燃料噴射仕様の1G-EU。80年4月に登場した初代クレスタ(X60系)の基幹エンジンと位置付けられ、同年10月にはマークIIとチェイサーがフルモデルチェンジし、それぞれ4代目と、2代目となるX60系の基幹エンジンにも位置付けられていました。
さらに81年2月にはソアラが、7月にはスープラが、そして8月にはクラウンが、それぞれフルモデルチェンジやマイナーチェンジに合わせてエンジンをM型からG型にコンバート。新旧交代は瞬く間に行われ1G-EUはトヨタの2リッター級直6での主流エンジンの座に就くことになりますが、何より2リッターに特化したことで軽量コンパクトに仕上がっていたのがG型エンジンの最大の美点でした。
その後は基本となった1G-EUに、ターボチャージャーやスーパーチャージャーなどの過給機を装着したり、ツインカムヘッドを組み込むなどアップデート。1G-GEUは、トヨタとして初のツインカム4バルブとなっていました。1G-GEUが最初に搭載されたのはスープラの前身であるセリカXXで82年8月のこと。そしてマークII/チェイサー/クレスタの3兄弟やソアラ、そしてクラウンなど2リッタークラスの上級小型車のラインナップの中でスポーティなグレードに続々搭載されていきました。
また珍しいところでは、同じツインカムながら、タイミングベルトで一本のカムをドライブし、もう一本はシザーズギアでドライブするハイメカツインカムもラインナップされていました。こちらは、エンジンのタイプ名にGの付く通常のツインカムとは異なり、Fが付けられて1G-FEと呼ばれることになりました。