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VWゴルフ、21年ぶりに待望のディーゼルエンジン車を投入

パワートレインは豊富な全4タイプに

 フォルクスワーゲングループジャパン(VGJ)は8月20日、主力モデルである「ゴルフ」とワゴンタイプの「ゴルフ ヴァリアント」、さらに7人乗りのLLクラスミニバン「シャラン」に、最新ディーゼルのTDIエンジンを搭載したモデルを設定。10月1日からデリバリーを開始する。日本国内でゴルフにディーゼルエンジンが搭載されるのは1998年以来で、21年ぶりとなる。

 

 1974年に初代が登場したゴルフは、フォルクスワーゲンにとって不動のエース。現行モデルは2012年にデビューした7代目(5G型)で新鮮味には欠けるが、それだけに熟成が進んだ魅力なモデルと言えよう。

 

 セールスも堅調で、2018年の車名別輸入車ランキングでもBMWのミニに次いで堂々の2位を獲得。2019年1月〜6月の上半期はメルセデスのCクラスに抜かれたが、それでも1万0012台で3位。半期で1万台以上売れているのはこのゴルフまでで、4位のVWポロ以下は5000台にも届かないので、この3強の実力がどのくらい凄いか理解できるだろう。

 そんな現行型ゴルフだが、今回のTDIエンジン搭載で有終の美を飾りたいという意図も感じられる。すでに定評あるガソリンモデルの「TSI」、プラグインハイブリッドの「PHEV」、そして電気自動車「EV」を合わせた4つのパワートレインを持つゴルフ、こんな選択ができるのは、国産車も含めて他にはない。

 話をディーゼルに戻すと、今回追加されたラインアップはゴルフが4グレード、ワゴンのヴァリアントも4グレード、シャランは最上級の1グレードの合計9グレード。TDI搭載モデルの価格帯はゴルフが323万円から391万円、ヴァリアントが337万円から405万円、シャランはTDIハイラインの529万6000円の設定だ。

 ゴルフとしては21年ぶりと書いたが、すでに昨年から「パサート」「パサート ヴァリアント」「ティグアン」「ゴルフ トゥーラン」「パサート オールトラック」という5モデルにTDIエンジン搭載車を導入済み。すべて2リッター直列4気筒のディーゼルターボだが、仕様は必ずしも同一でないことは後述する。

 2015年に発覚したVW本社の排出ガス不正問題以降、欧州におけるディーゼル車の人気は下降気味だが、日本に限ってはマツダのSKYACTIV-Dなどが貢献して人気上昇中。輸入車でも2018年度の販売全体に占める比率が23.6%と過去最高になっていて、ティグアンでは早くも8割以上がTDIという実績も、今回の導入の追い風となった。

 もう少し詳しく見ていくと、ゴルフとゴルフ ヴァリアントには最高出力 150psで最大トルク340Nmというティグアンと同じ仕様が7速DSGと組み合わされている。WLTCモード燃費は18.9km/Lと優秀だ。

 さらにガソリンモデルのTSIシリーズに導入した特別仕様車「Meister」を 今回のTDIシリーズにも設定。渋滞時追従支援システムの“Traffic Assist”や駐車支援システムの“Park Assist”、液晶デジタルメータークラスター“Active Info Display”などの先進安全装備と、レザーシート(ブラック/ベージュ)やシートヒーターなどの快適装備を採用して、商品としての魅力を高めている。

 一方、3列シートを備えて車重が1900kgを超えるシャランには、同じ2リッターでも177psの最高出力と380Nmの最大トルクを発生するユニットを搭載。

 多人数乗車や荷物の積載に備える。従来のゴルフ トゥーランでは少し物足りなかったスペースユーティリティも備えたLLクラスのミニバンとして注目されるモデルだ。

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