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日本勢が迎え撃つ! 鈴鹿にやってきた世界的なハイレベルアマチュアレース「SUZUKA10H」

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 遠藤樹弥

アマチュア活発化でレースはさらなる盛り上げ

 グッドスマイルがMercedes-AMGのワークス“格”となったのは、SUPER GTでの活躍が要因。けれども彼らはスパ-フランコルシャン24時間にも出場し、ポテンシャルを高めてきました。結果として昨年開催された第1回大会の鈴鹿10Hでも5位入賞。当然、今回の第2回鈴鹿10Hでは、それ以上の結果が期待されていました。

 公式予選ではレースウィークで初のドライコンディションとなったフリー走行で状態を確認したものの、思ったほどにはドライのセットが決まらず36台中18位。しかし、上位20台が出走してポールポジションを争うPole Shootoutでは、アタッカーを務める小林可夢偉と、車両メンテナンスを担当するRSファイン代表の河野高男エンジニアが相談し、賭けのセッティングにトライしたところ大正解。可夢偉はMercedes-AMG GT3勢でベストとなる6番手グリッドを手に入れることに成功したのです。

 

 そしてMercedes-AMG Team Goodsmileの快進撃は決勝レースも続く。最初のスティントを担当した片岡龍也がスタートで5番手にアップ。その後も上位グループでステディなレースを組み立てて行ったのです。ただし、谷口信輝が担当した2番目のスティントではシケインで接触(貰い事故)があり、そこから先はペースアップならず。ファン投票では堂々の第1位だったにも関わらず、10位入賞でSUPER GT参戦チームとして最上位、アジア系チームとして2位という結果に終わりました。

 ゴール直後に河野エンジニアにお話を伺ったところ「予選とスタートからの序盤は速さを見せることができました」としながらも「ただそこから先がね。クルマのリペアでセットが変わったのかもしれませんが、まだ原因は分かっていません」と不得要領な表情で事情を話してくれた。

 そして「例え速く走れたとしてもスポット参戦しているだけでは優勝なんてできないと思います」とキッパリ。ポテンシャルがないのに「ポールが獲れていたら」とか「あそこで抜くことができていれば」などという『たら』と『れば』なら、それはもう夢物語でしかないのですが、「もしあの接触がなかったら」という“たら話”なら誰しもが興味深いはず。

 そして「もしグッドスマイルが充分な体制でインターコンチネンタルにフル参戦できれば」という“れば話”なら、どんどん期待感が高まっていく。今回の鈴鹿では、そんな『たら』と『れば』が頭の中で渦巻いていました。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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