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博物館で奇っ怪なオートバイと遭遇!多気筒エンジンを搭載した特殊なモデル10選

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田了

マルチエンジンを縦置き搭載

 4気筒から6気筒へと並列エンジンのマルチ化は進んでいきましたが、その一方で縦置きの4気筒や6気筒も登場しています。むしろ歴史的にはこちらの方が早く、直列4気筒縦置きは1910年代から登場しているのです。

 後に直列6気筒の縦置きレイアウトを完成させるヘンダーソン・モーターサイクル社(米国)が知られていますが、今回、バーバー・ヴィンテージ・モータースポーツ博物館で出逢った直4縦置きのオートバイは、米国の4輪の高級車メーカーとして知られるピアス・アロー社のバイクです。

 同博物館だけでなくミシガン州のヒッコリーコーナーズで、ギルモア博物館/Gilmore Car Museumのキャンパス内に設けられているピアス・アロー博物館/Pierce-Arrow Museumでも見かけています。

 ちなみにバーバー・ヴィンテージ・モータースポーツ博物館で撮影した赤いフレームの個体は10年式、ピアス・アロー博物館で撮影したグリーンの個体式は12年式。

 エンジンの全長が長いせいもあって、少し間延びした感は否めませんが、ルックスはかなり斬新です。

 それでもフレームにエンジンを吊り、それを跨ぐ格好で運転するのですから、オートバイでは見慣れたパッケージといえば、そう言えなくもないのですが…。

 その縦起き直列4気筒を2基合わせたパッケージが縦置きV8。このエンジンを搭載したオートバイは、60年代の終わりから70年代にかけて、50ccとか125cc、あるいは250ccの小排気量クラスのロードレーサーを開発し、世界選手権で活躍していたイタリアのモルビデリ社が94年にリリースした“作品”です。

 水冷の847ccV8エンジンを搭載。カウルでボディの上半分はカバーされていて、一見したところでは普通ですが、そのカウルの下から覗くカムカバーと4本のエキゾーストパイプが印象的です。もちろん反対側に回っても同じ景色が拡がるから改めてV8エンジンの存在を感じることになる、というわけ。ただしエンジン部分のボリュームは大きいのですが違和感を覚える、というほどではないのです。

 

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