仕方ない? “車畜”による悪しきマナー
最近、日本中をキャンピングカーでくるま旅しているなか、「道の駅」について感じた事があります。それは「バッドマナーで道の駅が二極分化」です。残念な事ですが、増加する道の駅での悪しき行為には目を覆うものがあります。道の駅は基本的に「仮眠・休息」の場所で、厳密には車中泊は出来ません。キャンプ場の様なテント設営やBBQなどは、まだバッドマナーの範疇ですが、長期滞在や盗電、破壊行為、トイレの占拠などはもはや犯罪行為レベル。まさに「車畜(しゃちく)」がなす悪行とも言えます。これらの「車畜」に手を焼いた道の駅は、いまや二極分化の傾向。いったい、どういうことでしょうか。
・完全受入拒否「車中泊全面禁止」
道の駅、特に入浴施設が併設されているところは、まるで車中泊歓迎と言わんばかりの環境。温泉で旅の疲れを癒し、仮眠程度の車中泊は、くるま旅をする立場から言えば、便利で快適なのですが、そんなところには「車畜」は集まってきます。
なかには数ヶ月という長期滞在車(者)もあるので、道の駅としては受入拒否をしたくなるのも当然のこと。以前より「車中泊禁止」などの立て札や貼紙で注意喚起する道の駅は存在しており、最近では監視カメラを設置したり、警察に通報するケースもあるようです。
問題が起こったら、原因を断つ。当然の対応、致し方がないとも考えられますが、一部の車畜のせいで、くるま旅を楽しむ善良な一般市民までもが迷惑をこうむる訳ですから、じつにやるせない気持ちになります。
・車中泊受入「車中泊施設開設」
なんと、一般の駐車スペースとは別に、車中泊専用エリアを設ける道の駅も存在。まだまだ数は少ないものの、少しずつ目にするようになりました。既に恒久的なサービスのところもあれば、トライアルに近い実証実験のところもあり、実際に関係者に伺った事がありますが、もはや車中泊は無視できない状況とのこと。現在の道の駅は、長距離トラックのドライバーなども仮眠に利用するので、露骨に”お泊り禁止”にできず、かといって”車中泊OK”にも出来ない中途半端な位置づけ。可もなく不可もなく、というグレーな状態がバッドマナーの温床にもなるので、車中泊を認め、その専用エリアを設けるというものです。
これは、かつての禁煙運動にも似た動き。喫煙も当初は「吸いすぎに注意」といった曖昧な表現でしたが、その後、基本は禁煙、それとは別に「喫煙エリア」を設けた「分煙化」となり、現在はそれがスタンダードになりつつあります。道の駅でも一般の駐車と車中泊を切り分けた「分駐化」なら、同様に、その成果が出るかもしれません。
専用エリアによる分駐化のススメ
道の駅の二極分化ですが、どちらが良いという結論が出るまでには至っていないようです。ただし、私見ですが、人間という煩悩の塊の生き物は、どんなに完全否定してもシャットアウトできないのではないでしょうか。
例えば、飲酒運転。こちらもバッドマナーの問題ではなく犯罪と言えますが、重い刑罰や罰金、頻繁に実施される啓蒙やキャンペーンにも関わらず、完全には防ぎきれていません。車中泊となると、飲酒運転の様な取り締まりや刑罰もない訳ですから、さらに根絶となれば難しいでしょう。
事実、車中泊お断りの道の駅でも、キャンプまがいの事をする「車畜」が後を絶ちません。その点、公式な車中泊施設開設、つまり「分駐化」は、分煙化の成功と同じ結果が期待できるのではないでしょうか。
分駐化が普及していけば、一種のフィルタリングにもなり、マナーを守る良質なお客さんは、車中泊専用エリアを利用。普通の駐車場で車中泊しているのはマヌケな車畜と仕分けが可能になります。その後は、パトロールで締め出すか、警察に通報、または違約金の支払いという施策も可能になるかもしれません。
いずれにしても、問題が起こったら単に拒絶するだけでなく、受入も含めた打開策も出てきた事は、将来に希望が持てます。これまで、交通拠点から観光拠点と進化してきた道の駅も、車中泊施設を併設する事により、健全な滞在から「関係人口」の増加となり、今後は地方活性化拠点へと進化するかもしれません。
*使用写真はイメージです