装備の違いで車両価格が大きく異なる
旅を楽しむためのキャンピングカーですが、出先でのまさかの事故や故障などを考えると、自動車保険にはぜひ加入したいもの。ところが、実はキャンピングカーには保険に入りにくい車種があったり、加入していても補償されないケースがあったりするのです。
そこで、ここでは、キャンピングカーの自動車保険にはいる場合の注意点などをいくつか挙げてみましょう。
「キャンピングカーの保険の取り扱いが少ない」という理由は諸説ありますが、キャンピングカーは量産されている普通車に比べ普及しておらず、まだまだニッチなジャンル。その上、1台1台をオーナーの好みに合わせカスタマイズするため、保険代理店が車両保険付きの見積もりを出す上でも、その車両データを把握しくいという事が挙げられます。
また、保険料は事故発生数などの統計に基づいて毎年改定されますが、キャンピングカーはスピードが余り出ないからか? 車体に傷をつける事はあっても、人身事故や、全損事故の様な重大な事故は件数が少なく、損害率が低くなって保険料も安くなります。場合によっては、車両保険込みの自動車保険では、軽自動車よりも1000万円クラスのキャンピングカーの方が保険料は安いなんて例もあり、その分、保険会社は儲からない事になります。
なかでも、(普通車扱いでない)8ナンバーと呼ばれる「特殊用途自動車扱い」のキャンピングカーの場合は、その特殊性ゆえに取り扱う保険会社は多くありません。また、取り扱いがあっても、その車両保険金額の上限が、500万~1000万円までというケースが多く、大抵のキャンピングカーは問題ありませんが、輸入車とか高価なキャンピングカーだと対応ができないという事もありますので、注意が必要です。
もちろん、保険会社によっては車両保険金額が約2000万円まで対応できる商品を持つところもありますが、まずは、加入しようとする保険が、自分のキャンピングカーに対応しているかどうかは必ず確認する必要があります。
保険額より支払う保険料のほうが多くなることも
車両保険とは、自損事故などでクルマに損害があった場合に支払われます。キャンピングカーは「走る家」と言われている様に、キッチン、クーラー、電子レンジやヒーターなどが装備されていますが、車両保険加入の際には、それら内装設備が、事故などで故障した場合も補償範囲かどうかの確認も大切です。
保険料を抑えるために、実際のキャンピングカー購入価格よりも安く車両保険を申告(設定)されている方もいるようですが、これはいわゆる「一部保険」となり、万一の事故の際に損害金額の一部しか支払われないことになります。
車両保険へ加入する際は、その商品が実際の購入金額での設定になっているかの確認も重要なポイントになります。
キャンピングカーは、普通車とは、いろいろと勝手が違います。普通車にはない楽しみもあれば、その一方で、キャンピングカーならではのトラブルもあります。
例えば、車高が高いので、ルーフ上の突き出たベンチレーターや、アンテナを軒先や木々に擦ったり、バウンドした小石がフロントガラスを直撃したり、キャンピングカーではお馴染みの装備であるサイドオーニングも、油断していると、強風で裏返って、破損する事もあります。また、重量のあるキャンピングカーを支えるタイヤのトラブルも、パンクなど、けっこう深刻だったりします。
ところが、これらのトラブルを補償してくれるサービスがありそうであまりないのです。例えば、タイヤのパンクは自動車保険では補償されないとか、飛び石の補償で自動車保険を使うと等級が下がってしまうなど、意外な落とし穴は結構あります。
前走車が跳ねた飛び石でフロントガラスが割れて修理代が10万円かかったとします。そういった場合では、仮に保険の契約に3万円の免責があると、保険金で支払われるのは7万円です(3万円は自腹)。その後、契約内容にもよりますが、翌年の保険更新で例えば3等級下がり保険料が従来の保険等級に戻るまでの3年間の保険料が12万円アップになったとすると、出費の合計は15万円。修理代10万円よりも高くなってしまうこともあるのです。
保険ではカバーできない補償サービスも要検討
キャンピングカー特有のパーツ修理代補償については、JRVA(日本RV協会)オリジナルの『JRVA(ジャルバ)サービス』などがあります。これは、タイヤのパンクや飛び石によるフロントガラスの修理、ルーフに設置したアンテナなど、まさにキャンピングカーでよく起こる故障などをオリジナルで補償する制度もあります。通常の車両保険だけでは補償が不十分なことも多いので、併せて加入しておくと安心です。
この様に、自動車保険や補償サービスの点でも普通車とは違うキャンピングカー。楽しみは格別、トラブルは特別なキャンピングカーを安心して最大限に楽しむためにも、一度、じっくりと自動車保険について検討されてみては如何でしょうか?