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童夢の新型レースマシンが初テスト! F1登竜門レースカテゴリーが2020年より国内で開催

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田了

フォーミュラレースのF3とF4の中間カテゴリー

 9月11日、岡山国際サーキットで童夢の新型レースマシン「童夢F111/3」のシェイクダウンテストが行われました。このレースマシンは、FIAが世界の各地で導入を進めているFORMULA REGIONAL certified by FIA(フォーミュラ・リージョナル)に適合し、来シーズンから始まるFORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP用に開発されたものです。

 世界中のモータースポーツを統括する国際自動車連盟(FIA)は、2014年からF1を頂点とするレーシング・フォーミュラのカテゴリーを再編しています。それによって2018年に車両規則が制定され、新たなカテゴリーとして登場したのがフォーミュラ・リージョナルです。クルマのパフォーマンス的にはF3とF4の間のマシンです。

 より正確に言うならフォーミュラ・リージョナルが搭載するエンジンは270馬力程度となっており、パワーで見ると旧GP3から発展した3.4リッターV6のNAエンジン(380馬力程度)を搭載するFIA F3と、日本国内でも2015年から始まっている2リッター直4のNAエンジン(160馬力程度)を搭載するFIA F4のちょうど真ん中にあることが分かります。

 そしてFIA F3やFIA F4と同様、このフォーミュラ・リージョナルもワンメイクのレースマシンで戦われることになっており、一足先に昨年からフォーミュラ・リージョナル規定を導入したアジアンF3ではイタリア製の車両が採用されています。

 

アルファ・ロメオの1750cc直4をターボ化した270馬力エンジンを搭載する童夢F111/3

 童夢F111/3は、フォーミュラ・リージョナル規定に適合したレースマシンとしてFIAから3番目に承認を受けました。童夢製のカーボンファイバー(CFRP)モノコックにアルファ・ロメオの1750cc直4をベースにアウト・テクニカ・モトーリ(ATM=イタリアのエンジンコンストラクター)で完成させたターボ・エンジン(270馬力)を搭載しています。

 「童夢では、できればエンジンも国産のものを使用したかったのですが、コストキャップ(価格の上限設定)もあって、現時点ではこれを選ぶしかありませんでした。ただし現在も打診を続けていて、将来的には国産(ブランド)のエンジンにしたいと思っています」と高橋拓也社長は語っています。またシェイクダウンテストの初日はアジアンF3で使用されているピレリ製のスリックタイヤを使用していましたが、2日目にはダンロップやヨコハマなどの国産タイヤもテストされていました。

 テストドライブを担当したのはスーパーフォーミュラからSUPER GT、そしてツーリングカーのTCRまで、様々なカテゴリーのレースマシンをドライブしてきたベテランの加藤寛規選手と、アジアンF3でフォーミュラ・リージョナルを経験済みの金丸ユウ選手。

 加藤選手はファーストインプレッションで「ダウンフォースが大きいですね。だからコーナリングでとても安定していました」とコメント。一方の金丸選手も「シェイクダウンということで心配していたトラブルもなく、最初から幾つかのセットを試すことができました」と納得の様子でした。

F1スーパーライセンス取得のため若手ドライバーが集う

 全日本F3から発展して来シーズンから始まるスーパー・フォーミュラ・ライツとSUPER GTのサポートレースとして実施され、盛況を見せているFIA F4。これに加えて、新たにフォーミュラ・リージョナル規定で始まるFORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIPと、国内にはミドルフォーミュラが3カテゴリー存在することになります。

 FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIPのメリットは、なんと言ってもF1のスーパーライセンスを取得するために必要なポイントが得られることです。ですから場合によっては海外からも、ポイントを目当てに有力なチーム/ドライバーが参戦することも期待されており、そうなると盛り上がることは必至です。

 この童夢F111/3で戦われるFIA公認のFORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIPは、2020年の来シーズンからの開催予定です。シリーズの一部はスーパー耐久シリーズと併催される予定となっているようですが、詳細については9月26日に岡山国際サーキットで開催される、スーパーフォーミュラの第6戦の際の記者会見で発表されることになっています。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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