スープラでHREが連続トップ10入り
アメリカの人気レース「NASCAR(ナスカー)」で唯一の日本人チームオーナーである服部茂章氏が率いる「Hattori Racing Enterprises(HRE)」は、今シーズンもナスカー・トラック・シリーズに16号車をフルエントリーさせている。さらに、新たな挑戦が「NASCAR XFINITY SERIES(エクスフィニティ・シリーズ)」へのトヨタGRスープラでのスポット参戦だ。その最新レースとなる9月7日(土)にインディアナ州インディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われた第25戦「Indiana250」では、終盤の猛追で見事9位入賞を果たした。
今シーズンのエクスフィニティ・シリーズで、第16戦デイトナ(トランスミッションのトラブルで不出走)と、第22戦ブリストル(7位入賞)に参戦を果たしたHRE。迎えた第25戦「Indiana250」は、チームとして挑戦3戦目となる。
2戦目のブリストル戦はトラック・シリーズとの同時開催ということもあってティミー・ヒル選手を起用することとなったが、今回は、トラック・シリーズにHREからフルエントリーしているオースティン・ヒル選手が、デイトナ戦以来の参戦となった。
エクスフィニティ・シリーズ全33戦のうちの25戦目となる「Indiana250」の舞台は、インディアナポリス・モータースピードウェイ。日本のレースファンもおなじみのインディアナポリス500マイルレース(通称インディ500)を開催するインディアナ州にあるサーキットだ。1周2.5マイル(4.23 km)の長方形の角を丸めたような形状のオーバルコース。ここで第1と第2ステージで各30周、最終ステージ40周の計100周でのレースとなる。
HREの#61 ADVICS/AISIN GROUPTOYOTA SUPRAは、決勝前日となる9月6日(金)の練習走行セッションから細かなセッティングを行いながらマシン慣れも含めたロングランを行っていく。
そして迎えた公式予選では15番目にタイムアタックを行い、その時点では3番手となる55.133秒をマーク。その後強豪たちのアタックがあったため、最終的にはトップから1.688秒遅れのタイムとなり17番グリッド、9列目イン側から決勝レースをスタートすることとなった。
9月7日(土)午後3時からスタートしたレースでは、なかなか順位を上げることが出来ない苦しい展開であった。そして16周目に、この日最初のイエローコーション(コース上の何らかの障害による全車スロー走行指示)が出される。
61号車はコース上にとどまるが、ピットに入る車両も多く、ここで各チーム戦略が大きく分かれるシーンだった。その後ピットへ戻った車両に追い上げられ、61号車は18位で第1ステージを終えた。 続く第2ステージは一進一退の展開で15位フィニッシュ。このステージコーションでチームは61号車をピットへ戻し、マシンに大幅な調整を施して最終ステージに送り出した。この調整の効果もあり、ヒル選手は最終ステージを常にトップ10が狙えるポジションで走行する。 しかし、レースも残り5周となった終盤に大きなクラッシュがあり、赤旗で一時中断となった。ヒル選手はこのクラッシュをしたマシンの破片を踏んでしまう。
残り周回も少ないことから、チームはそのまま最後まで走り切ることをチョイス。残り周回4周で再開されたレースでヒル選手は猛プッシュをかけ、最終ラップまで順位を上げ続け、9位でチェッカーを受けた。HREのスープラは2戦連続でトップ10以内に入る結果を残したのである。