クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • カーライフ
  • 空飛ぶクルマは本当に必要? 都市部での安全面や騒音への課題にどう対処する
カーライフ
share:

空飛ぶクルマは本当に必要? 都市部での安全面や騒音への課題にどう対処する

投稿日:

TEXT: 御堀直嗣(Mihori Naotsugu)  PHOTO: 経済産業省/SKY DIRIVE

企業の採算性と消費者ニーズが課題

 技術的には、全個体電池など次世代バッテリーが実用化していけば、バッテリーの小型高性能化が可能になり、電動化を、陸のクルマに限らず、海と空へも広げられるようになる。すでにベンチャー企業や大手メーカー間などで試作機の実験も行われていることから、技術は進歩するものという前提に立てば実用化は可能に見える。

 一方、事業化に際して採算が取れるのかとか、もっと根本的な問題として、果たして消費者がそれを望んでいるのかどうかという市場性については、先を見通せない状況ではないだろうか。
 たとえば、大都市部ではクルマの渋滞など問題を抱えるが、同時にまた住居が密集した住宅街が多いという側面もある。そうした地域に無人の空飛ぶクルマが飛んで、果たして人々は安心した生活を送れるだろうか。
 既存のドローンであっても、翼が回転することによる耳ざわりな騒音は小さくない。無人での操縦なだけに、万一の接触などがから機体や荷物が落ちてくる懸念もあるだろう。

既存の交通手段の有効活用を

 空は、無限大に広がっていると思いがちだ。ところが、特に大都市部では高層ビルが林立し、電線が縦横に張られているなど、意外に障害物は多い。
 小規模な都市部や郊外では、そうした障害物による接触の心配や、騒音の懸念もそれほど大きくないかもしれないが、人口の少ない地域では事業としての採算は合うのかとの課題も考えられる。
 車体(機体?)ができるできないという技術論とは別に、事業化できるか、市民の安心を含めた合意が得られるかなど導入の点で前途多難な気がする。

 その前に、既存の交通手段の中で、過疎地域においては人貨を兼用で輸送できたり、過密都市部では共同利用によってクルマの台数そのものを減らしたりするなどによる解決策を、まず着実に進めるのがいいのではないか。
「欧米でやるから出遅れないように取り組む」のではなく、政府も企業も、やるからには現状把握をしっかり行い、国情に合った現実的な回答を真摯に模索することが大切だと考える。

12
すべて表示

 

 

 

 

 

 

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS