12時間で2900のヘアピンコーナーを走破
ピレリタイヤのヴィンテージカーやモダンクラシックカー向けモデル、「Collezione(コレツィオーネ)シリーズ」を装着したマツダの初代MX-5(日本名:ロードスター)が、オーストリアの峠道で「12時間でヘアピンコーナーを最も多く走った」という世界記録を樹立した。
ロードスターの初代、NA型が誕生して今年で30年。その記念的な意味合いもある今回の世界記録は、ドイツのマツダモータースGmbHが行なったトライアルによるものだ。
“ヘアピンコーナーを最も多く走る”という記録自体は、日本ではあまり聞き慣れない “知る人ぞ知る”ものだが、この挑戦にはドイツのHamburg Record Institute for Germany(ハンブルク・レコード・インスティチュート・フォー・ジャーマニー)という機関が“厳格な審判を下し行なった”というから、かなりの本気モードだったことは間違いない。
計測は、7月17日にオーストリアのチロル地方に位置するカウナーターラー・グレチャーシュトラーセで実施。レーシングドライバーのシンディー・アレマン、MX-5カップドライバーのヤン・スパイス、Auto Bild誌テストドライバーのステファン・ノビツキー、ラリードライバーのニキ・シェレという4名のドライバーが1時間交代で走行した。
高低差1500m、29ものコーナーがある山岳地帯のコースで、12時間の間に2900のヘアピンコーナーを走行し記録を樹立したのである。
今回の挑戦には、ピレリタイヤも協力しており、ロードスターには同社のP Zero Asimmetrico Pirelli (Pゼロ アシンメトリコ ピレリ)205/50ZR15 86Wを装着。前述の通り、コレツィオーネ・シリーズのラインアップに属するタイヤであり、ビンテージカーやモダンクラシックカー向けである一方、性能面ではレーシングテクノロジーを基盤として開発されたモデルだ。
ピレリドイツのテスト責任者ヨルグ・シェーファー氏によると「記録達成に必要な強さ、耐久性、グリップ、ステアリング・プレシジョン、性能、ウェット路面における安全性などを兼ねている」という。また、トレッドパターンには、30年以上の歴史を持つPゼロタイヤの中でも、1980年代のラリー用タイヤに使われていたデザインを継承する。
そのクラシカルな雰囲気は、フォグランプなどを装備し、古のラリーカー仕様となった初代ロードスターにベストマッチしている。また、最新テクノロジーが投入されているという点から、多くのコーナーを長時間走行する今回のトライアル成功に、パフォーマンス面でも貢献したことが伺える。