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「くるま旅の目的は? 過ごし方は?」日本RV協会、キャンピングカー乗りの実態を調査

思い立ったら出発できる旅の強み

 ジャック・ニコルソン主演の「アバウト・シュミット」。キャンピングカーを駆り、思いつきと成りゆきで旅へという映画の世界ではないけれど、日本でもキャンピングカーを楽しむスタイルがジワジワと広がっているようです。

 日本RV協会が、キャンピングカーを所有または興味を持っている人に、「くるま旅計画について」に関するアンケート調査を実施。キャンピングカーや自動車での旅に興味を持つ人にとって、オーナーのリアルな実態は大変参考になると思いますよ。

 まず、「1年のうちのキャンピングカー稼働回数」について。最も多かったのは”1~10回”で41.5%。次いで”11~20回”が28.5%。7割のユーザーは平均して1カ月に1~2回ほど「くるま旅」を楽しんでいるようです。なかには31回以上という強者もいらっしゃるそうですよ。

 次に「出かける時の日程や時期」でもっとも多かった日程は”2泊3日”で34.4%。そして、出かけることが多い時期については48.3%と約半数の人が”週末”と答えました。すなわち、仕事を終えた金曜日の晩に出発し、目的地(やその近く)で仮眠をとった後、土日を目一杯楽しんでいるようです。また、5泊以上という人も2割近くいたそうで、おそらくですがリタイヤ組によるのんびりとしたキャンピングカーライフを感じさせます。

 そして「旅の計画」といえば、宿や交通手段の手配などで1カ月前以上というのが通常のようですが、キャンピングカーオーナーの場合は、54.1%と半数以上の人が”直前”に計画とのこと。思い立ったら出発、という強みを発揮しているのです。

 また「1日あたりの予算」も、”特に決めていない”と答えた人が58.8%とトップ。どこでどんな食事をするのか、あるいはどんな観光や遊びをするのか直前に決める人が多く、自由に幅を持たせて行動しているようです。計画を綿密に立てないと落ち着かないという人は不向きかもしれませんね。

 さらに「1日の走行距離」についても”300km以下”が38.9%でトップ、次いで”200km以下”と続きます。行き先を直前に決めても、7割近くの人は200km~300km程度は走り、途中で快適に休憩を取ることのできるキャンピングカーでのくるま旅を楽しむ感じです。

 次に、「旅先での仮眠を含めた宿泊」はトップが”道の駅”で59.8%と全体の6割ほど。トイレなどの設備があり、広い駐車場や深夜でも駐車できる点が要因になっているようです。近年話題のRVパークは全体の約1割に過ぎませんが、利用者数の伸びや関心度が高くなっていることを踏まえると、今度さらに上昇するのかもしれません。

北海道での温泉巡りが人気の傾向?

「くるま旅の一番の目的」というアンケートでは半数の人が”観光”、2位は16.1%の”温泉”でした、すなわち道の駅で仮眠し、近くを観光したり、のんびりと温泉につかるというのが一番の理由のようです。そして、事前に予約をせずに楽しめる気軽さも人気になっています。ちなみに目的地選びはインターネットがトップ。手軽にいつでも情報が入手できることや、SNSの大幅な普及が後押ししている点もあるようです。

 次に「最も行きたい場所」は”北海道”で52.7%でダントツ。東北、九州が10%台で続きますが、広大な地域と大自然の中で車でしか行けないような見どころを、キャンピングカーで巡りたいというのは誰もが同じのようです。そして、キャンピングカーを使ったくるま旅は魅力的な観光エリアでの長期旅行も可能にします。

 面白いのは、「持って行く道具」としてトップは”お風呂セット”で61.9%。いつでも温泉に入れる準備は怠りません。旅行の必需品の”カメラ”は2位で13.3%、”常備薬”は8.0%で長期になりがちなキャンピンガーの移動に備えていることがわかりました。

 その結果を受けてか、旅先で一番気になるのは”宿泊場所”と”お風呂”が1位、2位を独占。海外に比べれば治安の良い日本とはいえ、最低限の安全は欲しいところであり、お風呂は景観(露天風呂の有無)や営業時間など、多少なりとも制約される点があるそうです。

 旅先での食事はレストランなどの食事処がトップで61.2%、自炊(食材は主に現地調達)が26.7%で第2位になっています。旅のすべてでレストラン等を利用すると高額になりますので、リーズナブルな自炊とを使い分けてくるま旅を楽しむのがキャンピングカーならではと思われます。

 旅先での過ごし方は、家族との会話(40.5%)を筆頭に、晩酌、自分の趣味の順です。やはり、キャンピングカーに乗るというのは、決して旅を楽しむだけではなく、家族との絆、人と人のつながりを強固なものにするための最大のアイテムであることが実感できます。晩酌が2位というのは、旅先でも自宅で家族とくつろぐようなプライベート空間が確保できるキャンピングカーならでは感じがする話です。

 都会の喧騒を離れて、非日常を体験できるキャンピングカーライフ。無計画で行き当たりばったりで、思いのままにアクセルを踏むことで、何か今までと違う出来事が起こりそうな…そんなキャンピングカーライフを体験してみたくなります。

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