福祉車両は一定条件を満たせば非課税
2019年10月の税制改革によって消費税が10%に上がりますが、その際に福祉車両の消費税はどうなるのでしょうか。答えはカンタン。従来どおり、一定条件を満たせば消費税は非課税のままで、車両本体価格で購入できます。
ただし、すべての福祉車両が免税対象となるわけではないのでご注意を。そこで、ここでは改めて、福祉車両の消費税が非課税となる要件を列記しておきます。
1)車いすと車いすの人を乗せられる自動車
車いす等を車両に載せるための昇降装置、およびその車いす等を固定するために必要な装置を装備した車両。つまり、助手席や後席が回転するもので、車いすを収納するためのクレーンと固定装置が付いているもの。もしくはシート自体がリフトする機構を持っていて、車いす固定装置が付いているものが最低限レベルの装備です。もちろんリフト付き車やスロープ付き車は問題なく福祉車両として認められます。
2)身体の不自由な人が運転できる自動車
身体の不自由な方が運転できるように補助手段が施されている自動車。いわゆる手動運転装置が付いたクルマなどを差します。
福祉車両として認められている車両の消費税は非課税。しかし、一般的なクルマを購入後に福祉車両に該当する装置を装着する場合は、クルマは課税で装置の部品代や工賃が非課税になりますので注意が必要です。
逆に購入時に装着したものは、福祉車両の性能に関係のないものでも非課税になりますので、カーナビなども納車前にディーラーにすべて任せたほうがいいとされています。
免税の悪用で規制が厳しくなる
今後懸念されるのは、消費税が10%となったことで、できる限り税金を節約しようとして健常者なのに福祉車両を購入する人が出てくることです。というのも福祉車両の免税は障がい者手帳の有無などには関係なく、福祉車両の要件を満たすか否かで決まります。ですので、高額なクルマほど福祉車両に仕立てることで税金の節約メリットが大きくなります。
もし、消費税逃れのために福祉車両を買うような人が増えてくると、福祉車両の要件が厳しくなったり、購入時の規制が厳しくなったりする可能性があります。そうなることで福祉車両のハードルが高くなることがもっとも懸念される部分です。
また、10月からは自動車取得税が廃止され、新たに環境性能割という税金が採用。また自動車税も基本的減額(排気量が非常に大きなクルマは据え置き)されます。消費税については免税で変更なし、その他の税は基本減額方向なので、福祉車両については10月に入ってからの購入のほうがオトクとも言えるでしょう。