2021年4月1日以降登録車が対象
過去にも何度か基準が変更されている「ナンバープレート表示」に関するルール。直近では2016年に改定され、2021年にも新たな規定が設けられる。違反して反則金を取られる前に、正しい表示方法をよく理解しておこう。
かつて、ドレスアップを目的にナンバープレートにカバーを装着するクルマが急増。しかし、速度違反を繰り返すドライバーが増えたり、文字が読み取れにくいのは防犯の面でもデメリットしかなく、徐々に規制が強化されてきたという歴史がある。
そして、2016年4月1日からは道路運送車両法と自動車検査独立行政法人法の改正に伴い、自動車のナンバープレートの表示義務が明確化。クルマに関係するもっとも大きな変更として、基準を満たさないナンバープレートカバーの装着は禁止となった。
無色透明であろうと装着すること自体が違反で、スモークなどの色つきは当然ながらタブー。また被覆についても基準が厳しくなり、ナンバープレートに表示されるすべての文字が判読できなければいけなくなった。つまり、文字の一部が隠れるようなフレーム、ステッカーの貼り付けや汚れた状態もNG。さらに二輪車が主な対象と思われるが、ナンバープレートの折り返しや回転しての装着も禁止とされた。
2021年から適用される新基準とは何か
続いては2021年から適用される、新しい基準とはどんなものだろう。これまでは『番号を見やすいように表示しなければならない』としか定められていなかったのが、前面と後面のナンバープレートごとに位置や角度の数値が明確に設けられる、つまり、これまでよりも一段と厳格化されると考えていい。
一例を挙げると前面のナンバープレートの角度は上下の向きが上向き10度〜下向き10度、左右の向きは左向き10度~左右向き0度であるなど、細かくて分かりにくいもの。
他にナンバーフレームの上/下/左右の幅やボルトカバーの直径や厚さまでがひとつひとつ定められ、国土交通省の「ナンバープレートはイジるな」との強い意思が感じられる内容だ。とはいえ、下記の写真のような規制に対応したナンバーフレームも出ている。
ただし、この新規定に勘違いしている人が多いのも事実。2021年からの新基準が適用されるのは、『2021年4月1日以降に初めて登録・検査・使用の届出がある自動車』であり、『2021年3月31日までに初めて登録・検査・使用の届出がある自動車』は無関係である。
つまり現時点で乗っているクルマはもちろんのこと、2021年3月31日までに登録された中古車も当てはまらない。だからといってナンバープレートを見えにくくするのはマナーやモラルを疑われるうえ、そもそも後ろめたいことがなければ隠す必要のない話だろう。新基準が適用される人は当然ながらキッチリ遵守し、それ以外の人も良識あるドレスアップを心がけるべし。