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知られざる宿敵の存在「日産・歴代スカイラインGT-Rのライバル車とは」

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: 日産/Auto Messe Web編集部

ライバルがいたからこそ生まれた最強モデル

 2019年は、初代スカイラインGT-R(PGC10)の誕生から50周年が経過したメモリアルイヤー。さらに2代目のケンメリ・スカイラインGT-R(KPGC110)から16年ぶりに復活した、第二世代スカイラインGT-RのBNR32の登場から30年目と記念すべき年であることはあまり知られていない。そのような2019年だからこそ、歴代スカイラインのライバルたちに迫ってみたい。

初代:ハコスカGT-R(PGC10/KPGC10)

 戦後初の国産レーシングカー「日産R380」に搭載されたグロリアのエンジンをベースにチューニング。GR8型DOHCユニットを市販車用にした『S20』エンジンを搭載したハコスカは、モータースポーツで大活躍し、国内ツーリングカーレースでは49連勝を含む通算57勝を達成した。

 そのライバルといえば、GT-Rの50連勝を阻止したマツダ サバンナGT(RX-3)だろう。

 GT-Rはソレックス製キャブレター(燃料供給装置)からルーカス製インジェクションに交換し、パワーアップ&ドライバビリティを向上。4ドアのPGC10よりホイールベースのも70mm短縮化と20kg軽量化したハードトップのKPGC10を投入して、サバンナGTに対抗。最後は125馬力の12Aロータリーエンジンとロータリー専用シャシーの885kgの軽量ボディを持つサバンナGT(RX-3)に完敗……。マツダのロータリー軍団でいえば、ファミリアロータリークーペやカペラもレースでGT-Rと激闘を繰り広げた。

 

2代目:ケンメリGT-R(KPGC110)

 1973年に登場した二代目GT-RのケンメリGT-Rはわずか4カ月で生産終了。総生産台数は200台にも満たず、歴代のなかでは最も希少といえる存在だ。心臓部にはハコスカと同じS20エンジンを搭載したが、車重はハコスカよりも20kg以上重く、ボディもワイドになったこともあり、本格的なレースには参戦せずに終わってしまった。

 ちょうどオイルショックの時期と重なってしまったこともあるが、その人気は不動のもの。最高速200km/hを謳っていて、走り屋からもあこがれの的だった。

 そういうストリートレーサーでいえば、2.4リッター直6SOHCのL型エンジンを積んだフェアレディ240Zや1.6リッター直4DOHCの2T-G型エンジンを積んだトヨタ・カローラレビン&スプリンタートレノ(TE27)、そしてマツダのサバンナGT(RX-3)がライバルだった。チューニングカーでいうと、でかくて重くて排気量が2リッターだったケンメリは、分が悪かったというのが正直なところ。

 

3代目:R32GT-R(BNR32)

 16年の沈黙を破って1989年にGT-Rの名を復活したR32GT-R。国内外のライバルをあっという間に過去のクルマにしてしまうほど先進的かつ画期的はハイパフォーマンスカーだった。レースでは当時グループAで世界のツーリングカーを席巻していたフォードシェラRSに圧勝した。

 量産スポーツカーとしては二代目スカイライン2000GT(S54B)時代からの宿敵、ポルシェのフラッグシップモデル「911ターボ」の持つレコードタイムをポルシェのホームである、ドイツのニュルブルクリンクで更新。国産車で初めてニュルブルクリンクで量産車世界最速の称号を手にした。

 当然、国産車には無敵の存在でライバルといえるのは、唯一ポルシェ911ターボ(930型)だけだった。

4代目:R33GT-R(BCNR33)

 1995年に誕生し、通算4代目にあたるR33GT-Rは、歴代の中で唯一ル・マン24時間レースにチャレンジしたモデル。1996年に総合15位、クラス10位に輝いた。

 前年の1995年もル・マンに参戦。そのときの同じGT1クラスで戦ったのはマクラーレンF1GTR、ポルシェ911RSR、フェラーリF40LMという世界で名高いGTカー軍団だった。関谷正則がドライブしたマクラーレンF1GTRが総合優勝し、チーム国光のホンダNSXがGT2クラスで優勝。1996年のル・マンではポルシェGT1が登場し、ニスモGT-R LMでも歯が立たなかった。

 とはいえ、国内では1995年と1998年にJGTC(全日本GT選手権)のタイトルを獲得。JGTCでのライバルは、ポルシェ993GT2やトヨタ80スープラといったところだろう。

 

5代目:R34GT-R(BNR34)

 1999年に登場したR34GT-Rは、同年のスーパー耐久レースで8戦8勝。JGTCでもGT500のドライバーズタイトルを獲得しており、スープラ(80系)やNSX(NA2)としのぎを削った。海外では、ニュルブルクリンク24時間レースにおいて、2004年にクラス優勝も果たしている。

 また、スーパー耐久では、ランエボやインプレッサもGT-Rを脅かすほどのパフォーマンスを発揮して、ライバルといえる存在に。2003年あたりからは、ポルシェ911(996)の活躍が目立ち出し、けっきょくポルシェがライバルとして浮上してきた。そんな意味でも最大のライバルとしてハッキリと言える存在はいないのかもしれない。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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